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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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比ミンダナオ和平停滞?

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 フィリピン南部ミンダナオ島のイスラム系武装組織と同国政府の和平プロセスに関する法案の不成立が同国国会で決まった。今春を目指していたイスラム自治政府の樹立は先送りとなり、最終的な武装解除も遅れることになる。アキノ大統領在任中の成立はほぼ不可能で、和平を最重要課題とした政権にとって大きな痛手だ。
 

 フィリピン政府と「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」は40年にわたる紛争に終止符を打ち、2014年に包括和平に合意した。これに基づき、現在のイスラム自治区の権限を拡大する形で、自治政府を樹立することを目指していた。そのための行政細則など詳細を定めるのがバンサモロ基本法案だ。


 比下院は同法案の審議を続けてきたが、成立しないままに会期が終了した。6月で任期が満了するアキノ氏は憲法で再選が禁止されている。大統領選後、7月以降に国会は審議を再開するが、新政権下で和平問題がどう扱われるかは不透明だ。
 
 法案が成立しなかったのは、自治政府に強い権限を持たせることなどに一部の議員が反発したためだ。さらに、昨年1月にミンダナオ島でMILFと比警察の特殊部隊が偶発的に交戦し、警官44人が死亡する事件が起きたことも、イスラム教徒らに対する不信感につながった。
 
 自治政府の樹立はMILF側の悲願で、基本法は重要な意味を持つ法律だ。次の大統領が制定作業を引き継ぐ保証はないため、アキノ氏は任期内の可決を目指して上院、下院に働きかけてきたが、失敗に終わった。
 
 自治政府樹立の可能性はいったん遠のいたが、紛争状態に逆戻りするわけではない。包括和平の合意自体は継続しており、MILFのイクバル交渉団長は地元テレビで「和平プロセスへの関与をやめることは決してない」と述べた。
 
 ミンダナオ島は人口2千万人で天然資源が豊富だ。40年以上続いた紛争のため発展が遅れ、首都マニラとの経済格差が深刻で、和平により開発が進めば国全体の経済が底上げされる。歴史的な和平合意に至ったのは、こうした背景もあった。
 

 包括和平合意による治安の改善で、MILFの本拠地に近いコタバト市では早くもマニラの大型ショッピングセンターが相次いで進出している。MILFは次期政権とどう和平を進めるかを探り始めた。日本政府から現地の国際監視団(IMT)に派遣されている中川享之さん(46)は「基本法はあくまで和平プロセスの一部だ。和平自体を逆戻りさせないよう、国際社会が支える必要がある」と話している。(日経新聞等より)





 ミンダナオ島では、蕎麦の栽培やうなぎの養殖等は始まっている。今後の大統領しだいでは、和平プロセスが遅れると思われるが、平和な島の実現を早急にやって欲しいものだ。












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