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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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7月の失業率7.3%へ悪化

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 フィリピン国家統計局は、20137月の失業率(速報値:2000年国勢調査に基づいた人口予測を使って算出)を発表した。
 
 
それによると、7月の失業率は7.3%となり、前年同月の7.0%から0.3%ポイント悪化した。経済ファンダメンタルズの改善や、このところのGDP成長率急拡大が、雇用改善にはつながっていないという結果となった。

 20137月の15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)6,4468,000人で、そのうち労働力人口は4,1178,000人、労働力参加率は63.9%であった。就業者数は前年同月比1.7%増の3,8175,000人、失業者数は同5.4%増の3002,000人。20137月の就業率は92.7%で前年同月の93.0%から0.3%ポイント低下した。


 就業者3,8175,000人のうち、農業部門が30.9%、鉱工業部門が15.6%、サービス部門が53.4%を占める。

 就業形態は、賃金労働者が労働者全体の58.2%(前年同月60.1%)、そのうち民間企業労働者は44.6%(同46.2%)を占めた。自営・事業主は31.7%(同30.3%)、無給家庭内労働者が10.1%(同9.7%)であった。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の64.7%(同65.5%)。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は前年同月比14.3%減の7341,000人(不完全就業率は19.2%)。

 失業者数3002,000人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は48.9%(前年同月51.1%)で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が29.4%(同28.2%)。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は35.3%(卒業者は21.7%)、ハイスクール進学・卒業者43.8%(卒業者は32.8%)。性別では男性61.3%、女性38.7%

 地域別で失業率が最も高いのはカラバルソン(10.6%)、次いでマニラ首都圏(10.9%)、カラバルソン(9.1%)。失業率が最も低かったのは、サンボアンガ半島(3.1%)。不完全就業率が高いのはビコール(38.0%)、最も低いのはミンダナオイスラム教徒自治区(10.5%)。

 当地では、雇用統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表されるが、今回20137月の労働雇用率、失業率等が算出された。当地では10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加することで失業率が上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較でないとあまり意味をなさない。(フィリピン国家統計局発表より)





 フィリピンの国家経済開発庁(NEDA)では、失業率の上昇は7主に若年労働者市場で、好景気という認識から転職を繰り返したり、より良い職場を求めて待機する傾向があると見ているようだ。

 また、技術の合理化も進んでおり、経済成長が雇用状況の改善に繋がっていない面もありそうだ。

 フィリピンが高度経済成長の持続や失業率を改善するには、第二次産業である製造業の振興やその中小企業の育成が鍵となりそうだ。











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