多くの日系有力企業が進出しているリマ工業団地の筆頭株主が交代する可能性が強まった。
リマ工業団地(リマ・テクノロジー・センター)は、フィリピン政府が重点工業地域と指定しているカラバルゾン・エリアのほぼ中心バタンガス州に位置し、マニラ首都圏とバタンガス港を結ぶ高速道路に近接する将来性豊かな地域に位置している。
工業団地を核とした商業施設・住宅開発を併せ持つ「総合都市開発」をコンセプトとし、96年に着工、現在27社の企業が入居・操業中である。
そして、230万人を擁するバタンガス州中部のリパ・マルバル市に位置し、近接の大学・専門学校から優秀な人材の確保が容易であり、工業団地内にはサービスアパート「リマパークホテル」が開業し、日本食レストラン、銀行、住宅地が併設されており、短期宿泊から長期滞在まで利用できる。
現在、セイコーエプソン、ヤマハ発動機、矢崎総業、東ソー、日立電線、JFE商事、ミツバ、ジェイテクト、第一精工、日新運輸、創美工芸などの有力日系企業のフィリピン拠点が数多く進出している。また、バンダイも進出しつつある。
このリマ工業団地の開発主体は、丸紅とアルソンズランド社(フィリピン大手不動産会社)の合弁会社であるリマ・ランド社である。 リマランド社出資比率は丸紅40%、アルソンズランド社60%である。
尚、アルソンズランド社は、トーマス・アルカンタラ氏率いるアルソンズ・コンソリデイティド・リソース(ACR)の傘下企業である。
このアボイティス・ランド社によるリマランド社精査や60%取得交渉は最終段階にあり、遠くない時期にリマランド社の筆頭株主が入れ替わる可能性が高まった。ACRはリマランド社株式60%を売却、主力の電力事業に経営資源を集中させる意向のようである。(フィリピン証券取引所等より)
フィリピンでは、フィリピン人以外に土地所有が出来ないので、工業団地を造る場合、出資比率は日本企業が40%、フィリピン人の会社60%となる。しかし、これだと主導権を取れないので、相手のフィリピン人の会社にも40%を出資するという方法を取っている。
今回の場合は、その相手企業の事業変更により相手先企業が代わるということのようだ。
こういう形態で工業団地が造られており、他にもたくさんの工業団地があります。