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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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航空機編(24) エコノミークラス症候群

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 島国である日本では、外国に行くには船か飛行機ということになる。航空会社も何度乗っても楽しいものにして貰うために、特に最近の上級クラスシートはどんどん進化して快適になり、目的地に着いても「もう少しゆっくりしたい」と感じることが少なくない。けれど長時間のフライトでは、気をつけなければならないこともある。
 
 シートに長い時間同じ姿勢で座り続け、足を動かさずにいると、脚部の奥にある静脈に血栓(血のかたまり)ができることがある。この血栓が怖いのは、飛行機を降りて歩き出すと、その一部が血流に乗って肺にとび、肺の血管を閉塞してしまうこと。これは「肺塞栓」といわれ、当初はエコノミークラスの旅客から報告されるケースが多かったため「エコノミークラス症候群」の名前で知られるようになった。

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 その名前から「ビジネスクラスやファーストクラスなら大丈夫」と油断している人がいるが、上級クラスでも同様な症状で苦しむ人がいる。いや、飛行機での移動だけではない。鉄道やバスで旅するときもしかり。長距離バスや長距離列車の乗客のほか、トラックやタクシー運転手にも同じ症例が報告されている。これは正確には「深部静脈血栓」といい、最近は「旅行者血栓症」とか「ロングフライト血栓症」などとも呼ばれるようになった。

 飛行機を降りるときに「クツがなかなか履けない」と困っている人を、ときどき見かける。ロングフライトのあとに足がむくんでしまうことは、私も過去に何度か経験したことがある。深部静脈血栓の兆候は、まずこの「足のむくみ」に表れる。空気が乾燥した機内で長時間じっと身動きしないでいると、水分不足と運動不足に陥る。そのため足がむくみ、とくに体調の悪いときなどはひざ裏の静脈に血栓ができやすくなるので、注意が必要のようだ。
 
 深部静脈血栓の症状は、血栓の詰まった場所によって異なる。最も多い症例が前述した「肺塞栓」で、血栓が肺に詰まると呼吸不全や心肺停止の状態に。また心臓の血管で詰まると心筋梗塞、脳の血管では脳血栓などの発作を招くことになり、これが原因で命を落とすケースもある。
 
 地震等の災害で、避難所で生活する人々の6人に1人が深部静脈血栓の兆候を示していたことが、調査で明らかになっている。やはり長時間、狭い場所に同じ姿勢でいることを余儀なくされたことが原因だ。
 
 20代の若い健康な人でも、欧米路線などの長時間フライトは身体にかなりの負担が掛かる。もともと体調が悪かったり、高齢の人、肥満の人などにはもっと深刻な影響が生じても不思議ではない。こうした事態を避けるためにも、機内では水分のこまめな補給とシートに着席しながらできる簡単な足の運動などを心がけたいものだ。

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 せっかくの空の旅。正しい知識を頭に入れておけば飛行機での移動はもっともっと楽しくなるし、機内で出会った人たちと「ときどき身体を動かしましょう」と声をかけ合うことで、雲の上での交流も広がるかも知れないですよ。





 ビジネスクラス以上になると、幅広シートにスリッパやオーバーソックス等の提供から、水平のリクライニング・シートへとサービスが向上しているが、エコノミー・クラスは以前のままだし、LCCにいたってはシートの幅は狭く前のシートとの間も狭いので時々足の運動をする方が良いでしょうね。

 











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