フィリピン統計庁(PSA)国家統計局(NSO)は、2015年3月及び第1四半期(1~3月)のモノの輸入速報値を発表した。
[2015年3月単月動向]
3月の輸入額は前年同月比6.8%減の51億1,261万米ドル。一方、3月の輸出額は2.1%増の53億7,672万米ドル。この結果、貿易収支は2億6,411万米ドルの黒字に好転した。(前年同月2億1,700万米ドルの赤字)
輸入を項目別に見ると、将来の輸出につながる資本財輸入は前年同月比16.6%増の15億3.570万米ドル(構成比30.0%)と二桁増。一方近い将 来の輸出に直結する原材料・中間財輸入は1.1%減の20億8,896万米ドル(40.9%)と減退した。そのうち最もシェアの大きい半加工原材料の輸入は6.2%減の18億5,287万米ドル(36.2%)に留まった。
個別ベースでは、1位がエレクトロニクス製品(半導体など)で前年同月比5.4%増の12億7,133万米ドル(構成比24.9%)。その大きなシェアを占める半導体は1.2%増の9億3,941万米ドル(18.4%)。2位の鉱物燃料・潤滑油類は47.3%減の6億8,128万米ドル(13.3%)と大幅減。3位は輸送機器と続いた。
国別輸入先トップは中国で前年同月比27.2%減の6億1,470万米ドル(構成比12.0%)、2位は米国で30.8%増の5億4,734万米ドル(10.7%)、3位は日本で10.5%増の4億4,520万米ドル(8.7%)であった。
対日貿易収支は6億7,277万米ドルの黒字で、日本はフィリピンにとって依然最大の貿易黒字相手国である。最大の赤字相手国は韓国で2億87万米ドルの赤字となった。
[2015年第1四半期の動向]
第1四半期の累計輸入額は前年同期比4.1%減の156億8,196万米ドル、一方、発表済みの累計輸出額は0.2%減の142億4,700万米ドル。この結果、貿易収支は14億3,500万米ドルの赤字となり、前年同期から赤字が30.7%縮小した。
項目別に見ると、資本財輸入が前年同期比9.9%増の43億2,939万米ドル(構成比27.6%)。原材料・中間財輸入は1.8%増の68億6,437万米ドル(43.8%)で、そのうち最もシェアの大きい半加工原材料の輸入は1.2%減の61億3,818万米ドル(39.1%)と小幅減となった。
個別ベースでは、1位はエレクトロニクス製品で前年同期比14.1%増の43億7,598万米ドル(構成比27.9%)、そのうち半導体は10.3%増の33億2,470万米ドル(21.2%)。次いで鉱物燃料・潤滑油の39.1%減の20億7,502万米ドル(13.2%)。3位輸送機械など。
国別輸入先トップ3は中国、米国、日本。日本は前年同期比4.1%増の12億9,580万米ドル(シェア8.3%)で第3位。次いで韓国、シンガポール、台湾と続く。(フィリピン国家統計局発表等より)
第1四半期を前年同期比でみると、資本財も原材料・中間材も伸びているが、輸入減の最大の要因は何と言っても、原油価格が下がったことだ。石油資源が無いフィリピン経済には良いことだろう。
フィリピンは3月の主要国貿易収支を見ると、黒字国は日本、香港、米国の順で、赤字国は韓国、インドネシア、オランダの順となり、サウジアラビアは原油安の影響で4位まで順位を下げている。