フィリピンの国土は、3つのブロック(ルゾン島・ビサヤ諸島・ミンダナオ島)に大別され、さらに17の地方(Region)に細分される。それぞれの地方には、81の州(Province)が存在する。州は市(City)と町(Municipality)からなり、市と町は最少自治単位のバランガイ(Barangay)からなる。市の一部は高度都市化市(Highiy UrbanizedCity)又は、独立市(Independent Component City)という州に属さない行政単位となっている。尚、イスラム教徒ミンダナオ自治地域には自治区政府が存在する。
①ルゾン島にある地方(Region)
・イロコス地方(Ilocos Region, Region I)
・カガヤン・バレー地方(Cagayan Valley, Region II)
・中部ルソン地方(Central Luzon, Region III)
・カラバルソン地方(CALABARZON, Region IV-A)
・ミマロパ地方(MIMAROPA, Region IV-B)
・ビコル地方(Bicol Region, Region V)
・コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region, CAR)
・マニラ首都圏(National Capital Region, NCR)=メトロ・マニラ(MetroManila)
②ビサヤ諸島にある地方(Region)
・西ビサヤ地方(Western Visayas, Region VI)
・中部ビサヤ地方(Central Visayas, Region VII)
・東ビサヤ地方(Eastern Visayas, Region VIII)
③ミンダナオ島にある地方(Region)
・サンボアンガ半島地方(Zamboanga Peninsula, Region IX)
・北ミンダナオ地方(Northern Mindanao, Region X)
・ダバオ地方(Davao Region, Region XI)
・ソクサージェン地方(SOCCSKSARGEN, Region XII)
・カラガ地方(Caraga, Region XIII)
・イスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao, ARMM)
現在は、81の州(Province)、1.634市町(City,Municipalty,)、4万2,029バランガイ(Barangay)があり、政府としては17地域(Region)体制を敷いている。
今回フィリピン政府は、ビサヤ地方にネグロス島地域(NIR)を新設して18地域体制にした。これは、西ビサヤ地方(WesternVisayas, Region VI)の西ネグロス州と中部ビサヤ地方(Central Visayas,Region VII)の東ネグロス州を合わせて一つにしたものである。
ネグロス島としては、一つの地方(Region)に集約されたのは良いが、西ビサヤ地方(Regipn 6)の西ネグロス州は、イロンゴ語圏のパナイ島・ギマラス島と経済の結びつきも強いし、中部ビサヤ地方(Region 7)にあった東ネグロス州は、セブアノ語圏でセブ島・シキホール島等の結びつきが強いので、別の商圏が一緒になる。
西ビサヤ地方(Region 6)の政府関係の事務所はパナイ島のイロイロ市にあり、中央ビサヤ地方(Region 7)はセブ市にある。そのため、政府関係の書類が必要な時は、どちらも、パナイ島のイロイロ市やセブ島のセブ市に行く必要があった。
ネグロス島内で、そういう手間は省けることになるが、ネグロス島で政府関係の事務所を何処に置くかで時間が掛かるかも知れないようだ。一説によると、バコロド市とドマゲティ市の間にあるカバンカラン市に置くことも検討しているようだ。
将来に向かって、お互いがより良い方向に進んで、纏まって欲しいものですね。