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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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丸紅出資のマイニラッド水道

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 マニラ首都圏の西半分で上下水道事業を行っているマイニラッド・ウオーター・サービス社(マイニラッド水道、本社:マニラ首都圏ケソン市)が、高水準の投資を継続する方針である。
 
 マイニラッド社のサービスエリア内において、無収水率(漏水・盗水など売上に結びつかない水量の割合)の削減と現状10%程度に留まる下水道普及率の向上が今後の経営課題となっている。このため、マイニラッド社は、今後5年間で700億ペソの設備投資を実施、上下水道設備の整備、拡充、近代化を図る方針である。そして、2014年の設備投資額は180億ペソと予定されている。
 
 今年予定の180億ペソのうち、82億ペソが下水処理に充当される。これには、パラニャーケ市、モンテンルパ市、バレンズエラ市における下水処理場建設も含まれる。そのほか、水道管網の拡充に27億ペソ、取水施設拡充・補修に23億ペソ、無収水率低減に22億ペソが充当される。
 

 マイニラッド水道は、1997年のフィリピン政府との民間委託契約(コンセッション契約)に基づき、マニラ首都圏の西地区全17市区をサービスエリアと して、浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管路網の維持管理、検針や料金徴収までを含むフルコンセッション事業を行っている。サービスエリア内の人口は、フィリピンの人口のおよそ一割に相当する約950万人であり、単一コンセッション契約に基づく民間水道事業としては、サービスエリア内の人口規模において世界最大である。

 
 なお、丸紅が昨年、マイニラッド水道へ20%へ間接出資している。この結果、マイニラッド水道に対する経営権比率はMPIC52.8%DMCI 25.24%、丸紅が20%、その他が1.96%となった。丸紅は、国際協力機構(JICA)によるPPP F/Sを通じた支援のもと、マニラ首都圏上下水道事業整備への海外投融資等の導入を目指しつつ、無収水問題など経営課題解決へ向けた貢献を図るべく積極的に取り組んでいく方針である。(フィリピン証券取引所回覧等より)





 日本の無収水率(漏水・盗水など売上に結びつかない水量の割合)の全国平均は、9.93%(平成21年度)、発展途上国ほど高くなります。

 例えば、ケニアの無収水率は全国平均で60%以上と言われています。即ち、浄水場で生産した上水のうち、漏水・盗水などのために40%以下しか料金が徴収できていないことになります。これでは、上下水道の会社は立ち行かなくなります。

 アジアの開発途上国の水道事業体で、無収水率が20%を下回るのは、プノンペン水道公社(カンボジア、JICA)、ハイフォン水道公社(ベトナム)と、マニラ・ウォーター会社(フィリピン、アヤラG+三菱)だけと言われています。












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