フィリピンで不動産所有を考える日本人にとっては、間違った情報に踊らされて、取替えしのつかないことにならないように行動することです。その為には、その国の事情を調べることも大切です。
フィリピンでは外国人が土地を持つことは憲法で禁止されており、土地付戸建の住宅を外国人は保有できないことになっています。
しかし、コンドミニアムはそれぞれのユニットが個別に登記されており(CCT=Condominium Certificate of Title、あるいは単にタイトルという)、外国人でも総ユニット数の40%まで保有できる(コンドミニアム法)。
その場合、各々のユニットは土地を区分保有していることになり、このCCTが発行されているかぎり50年という保有期限はありません。
一方、バギオのキャンプジョンヘイやスービックなどの「経済特別区」で販売されているコンドミニアムは、開発から50年の期限付き所有権(Lease Hold Right)となる。
これらの経済特区では土地はすべて政府からの借地となっているために、コンドミニアムといえども永久に保有できるわけではなく、期限がきたら国に返還しなければならないのです。
それと同様に、もしデベロッパーが50年の借地契約でコンドミニアムを開発・販売したのなら、その所有権は借地契約の終了とともに土地のオーナーに帰属することになります。
その場合は住宅をコンドミニアムとして登記することはできず、個別のユニットのタイトル、すなわちCCTは発行されません。
従って、コンドミニアムを購入する場合は、ユニットごとのタイトル(CCT)があるかどうかが重要となります。コンドミニアム全体のタイトル(マザータイトル)では意味が無いので要注意です。因みに、土地のリース契約(借地権)は法的に50年が限度で、通常25年契約で25年の延長を可とするとなっています。
○フィリピンでは建物は土地に帰属する
フィリピンでは建物のタイトルというものはなく、建物は土地に帰属すると解釈されるので、できあがった住宅のタイトルといっても、それは建物が建っている土地のタイトルであって、土地の売買にともなってそこに建っている建物も同時に売買されてしまうと言うことです。
住宅を建設する場合、その土地を購入するか、長期リース(借地権の設定)していないかぎり、住宅の所有権を主張できません。この土地のタイトルのことをTCT(Transfer Certificate of Title)といい、コンドミニアムのタイトルCCTとはその概念に大きな相違があるので気をつけなければならないと思います。
注意すべきことは、建物の形状からコンドミニアムと呼ばれる場合と、登記上のコンドミニアムが異なると言うことです。
建物の形状で分類すると、戸建、タウンハウス、アパート、コンドミニアムとなるが、登記上は宅地とコンドミニアムしかありません。たとえ建物の形状がどうであれ、コンドミニアムとして登記されれば、その40%のユニットまで外国人が保有することができる。これが、分譲地でも外国人が保有できる方法です。
例えば、マニラ郊外のパラニャケに日本人不動産業者が開発した高級住宅地イリジウムが代表的なものです。そして、例え戸建であっても、法律上はコンドミニアムとして登録することが可能なのです。
一方、建物がコンドミニアムの形状をしていても、コンドミニアムとして登記されていない場合は、ユニットごとの売買はできず、ユニットを短期あるいは長期リースすることになる。こうした物件を売買するとなると、建物全体と土地を一括して取引しなければならなくなります。しかし、この場合は土地付なので、外国人は購入できないと言うことです。
フィリピンでは退職者ビザの取得に預託金が必要だが、このような事情から退職庁(PRA)は、預託金を使ってコンドミニアムの購入、あるいは住宅の長期リース(25年以上)をする場合、タイトルの存在を厳格に管理している。その条件の主たるものは、以下の通りです。
(1)貸し手ないし売り手の名義で、その土地(TCT)ないしコンドミニアム(CCT)のタイトルが存在すること。
(2)長期リースについては、PRAの定める借り手の保護に関する文言をあらかじめタイトルに裏書すること。
(3)コンドミニアムの購入については180日以内にタイトルを買い手名義に変更するとともに、PRAの許可なしに勝手に売買できないという趣旨の裏書をすること。
この条件が退職者の権利を守るためのものであることは理解できるが、実際問題として、これらをクリアするのは容易なことではないので、物件を選んだらまずPRAに相談し、指示に従って販売者に必要書類を要求し、PRAの事前審査を受けるべきだと思います。そうでないと土壇場で預託金が使えなくなり、途方にくれてしまう恐れがあるでしょう。(ダイヤモンド・オンライン等より)
フィリピンで家を購入する場合でフィリピン人の配偶者であれば、日本人○○の妻である□□の土地と記載されます。外国人の場合は、上記を頭に入れて購入してください。