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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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ボンバルディア、ボーイングに勝利

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 カナダの航空機大手ボンバルディアに予想外の追い風が吹いている。独立機関の米国際貿易委員会(ITC)が、ボンバルディアの旅客機に対する制裁関税を認めない判断を下したためだ。世界最大級の航空機市場での売り上げ拡大に向け、視界は良好といえそうだ。
 
 ボンバルディアの競合である米ボーイングは、ボンバルディアが政府から補助金を受けながら、米国で座席数100~150の小型機「Cシリーズ」を不当な安値で販売したと主張していた。これを受け、米商務省は昨年12月、約300%の関税を同小型機に課すとしたが、ITCは1月26日、全会一致でこれを認めないと決めた。
 
 今回の判断により、ボンバルディアは米デルタ航空にCシリーズの納入を開始できることになる。デルタは2016年、「CS100」を75機、カタログ価格で56億ドル(約6,096億円)規模の大型契約を締結し、受注が低迷していたCシリーズの危機を救った。デルタは「ITCの判断を歓迎している。ボーイングの試みは、競争を妨げ、米航空各社や米国民によるCS100の利用を妨げようとするものだった」と好意的な見方を示した。
 
 制裁関税の懸念が消えたことで、ボンバルディアが米国で新たな顧客を獲得する可能性も広がる。Cシリーズは燃費が良く、窓も大きく、シート幅が比較的広いのが特徴。カナダのベリタス・インベストメント・リサーチのアナリスト、ダン・フォン氏は「米国の他の航空会社からの注目も高まる。米国の顧客が増えれば、国際市場での勢いも高められるだろう。米国市場は業界内でも注目度が高い」と指摘する。
 
 実際、機材にボンバルディアを使用していない米航空勢もボンバルディアの支持に動いていた。ジェット・ブルー、スピリット航空、サン・カントリー航空は昨年、商務省とITCに対し、ボンバルディアへの支持を書簡で表明していた。
 
 カナダおよびボンバルディアの一部生産が行われている英国と通商上の緊張が緩和する効果も見込まれる。ボンバルディアの工場は北アイルランドで多数の雇用を生み出しており、メイ英首相はITCの判断を「英国の産業にも好ましい」と評価。カナダのベインズ・イノベーション・科学・経済開発相も「ボーイングの主張は事実無根。ITCは正しい判断を下した」と賞賛した。
 
 一方、ボーイングは「米国の労働者や米企業を苦しめる違法な商習慣は認められない」と反論する。もっとも、同社に手段が残されていないわけではない。米法律事務所スチュワート・アンド・スチュワートのマネジングパートナー、テレンス・スチュワート氏によると、ボーイングは米国際貿易裁判所に提訴できるという。
 
カナダのフリーランド外相の政務官、アンドリュー・レスリー氏は「まだ問題は解決していない。ITCの決定は最終段階ではない」と警戒をにじませている。(ブルームバーグ等より)





 航空機会社は、コスト削減のためボーイング社やエアバス社と競争させようと動いている。今後は航空会社の1社限定購入は無くなる傾向にあるようだ。












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