日本外務省は6月28日に、2013年度国際協力重点方針を発表した。
国際協力重点方針は、日本の外交政策の進展や新たな開発課題に迅速に対応するため、毎年度の国際協力の重点事項と、地域別の供与目標額を定めるものである。
2013年度に関しては、途上国の開発と成長という政府開発援助(ODA)の目的を達成するため、
(1)自由で豊かで安定した国際社会を実現するODA、
(2)新興国・途上国と日本が共に成長するODA、
(3)人間の安全保障を推進し、日本への信頼を強化するODA
という3つの柱の下で、ODAを戦略的・効果的に活用していくという基本方針が掲げられている。
また、NGO、企業(中小企業を含む)、地方自治体、大学といった政府・JICA以外の援助の担い手を積極的に拡大し、その優れた技術や知見を取り込むことによりODAの質の向上を図るとしている。
「自由で豊かで安定した国際社会を実現するODA」の具体的目標の一つとして、『普遍的価値や戦略的利益を共有する国への支援拡充』が掲げられており、
①フィリピン、インド、インドネシア、ベトナムといった日本と普遍的価値や戦略的利益を共有する国への支援を拡充する、
②2015年までのASEAN共同体構築に向け、貿易、投資、環境、人的交流の強化を目的として連結性マスタープランの実施等を支援する、
③メコン地域全体に対する約6,000億円の支援(2013年度から3年間)を本年度も着実に実施するとしている。
また、「新興国・途上国と日本が共に成長するODA」の具体的目標の一つとして、『日本ビジネスの国際展開への貢献』が掲げられており、
①インフラシステム輸出支援:ODA事業により、新興国・途上国の旺盛なインフラ需要を満たすことで経済社会開発に貢献するとともに、日本企業の海外ビジネス展開を拡大し、その活力を日本の成長に取り込む、
②新興市場開拓に向けたODAの活用:急成長を遂げる有望な市場である反面、民間企業にとってリスクが高い新興国において、ODAを戦略的に活用し、プロジェクト等の形成の上流段階から関与する形での広域開発や制度整備の支援を行うとしている。(日本外務省発表より)
フィリピンを始めとする新興国・途上国は、インフラ整備等が課題であり重要でもあるが、その国の政府の力だけではおぼつかないところが多いので、国際協力のもと、早急に進めて欲しいものだ。
新興国・途上国にありがちな、援助金が砂山の陣地取りのごとく一部の人間に消え去らず、公益を優先してまんべんなく行き渡るのを願うばかりだ。