日本の銀行が現金自動出入機(ATM)や窓口での手数料を値上げしたり、一部有料化したりする動きが続いている。各行は理由として、コスト全般の見直しや、ネットバンキングへの顧客の誘導などと説明する。振り込みや引き出しで1回100円超の負担増になるケースが多く、家計にじわりと影響を与えそうだ。
ゆうちょ銀行は10月から、ATMで同行の口座に送金する手数料を一部有料化した。月3回まで無料だが、4回目から1回123円かかる。多く送金する利用者と、それほど送金しない利用者の「公平性を図るため」という。日本郵政の長門正貢社長は「聖域なく、手数料アップを考えたい」と述べている。
福島県では地銀2行が手数料を見直した。東邦銀行(福島市)は10月から、大東銀行(郡山市)は11月から実施する。ATMで、キャッシュカードを使って他行口座に振り込む際の手数料などを値上げする。「自行の口座同士での利用を促進したい」(東邦銀)という。
上越信用金庫(新潟県上越市)は、窓口での同一店内の口座への振り込みを有料化した。
北越銀行(新潟県長岡市)は4月からネットバンキングの手数料を改定。同行口座への振り込みは無料だったが有料にした。コストを見直した結果という。
三井住友銀行は10月21日から、自行ATMで現金を引き出す手数料を見直す。預金残高10万円以上では、平日の時間外の引き出し手数料が無料だったが、残高に関わらず108円かかるようになる。ネットバンキングを契約し、給与振込口座にするなどの条件を満たせば引き続き無料になる。「メインバンクにしてもらったり、キャッシュレス化を促したりする施策の一環」という。
一方、十六銀行(岐阜市)は11月13日から、自行ATMでの引き出し手数料を時間外も無料にする。「銀行に来てもらって顧客との接点を増やすため」という。(久保智、真海喬生)
金融機関の手数料見直し
金融機関名 変更時期 主な変更点
北越銀行(新潟県長岡市) 4月 ネットバンキングで自行宛て手数料が有料
名古屋銀行 6月 ATMでICキャッシュカードを使った自行本
支店宛て手数料が有料
上越信用金庫(新潟県上越市)7月 窓口での振込手数料を値上げ
東邦銀行(福島市) 10月 窓口やATMでの振込手数料を一部値上げ
ゆうちょ銀行 10月 TMでの自行宛て送金手数料を一部有料
三井住友銀行 10月 ATMの時間外引き出し手数料を預金残高
にかかわらず有料
大東銀行(福島県郡山市) 11月 窓口やATMでの振込手数料を一部値上げ
十六銀行(岐阜市) 11月 ATMの時間外引き出し手数料を無料
(朝日新聞等より)
日本の銀行も、マイナス金利時代に入り金利手数料の多くを望めないため、安易な手数料の値上げを考えている。
外国に移住や長期滞在していると、この様なニュースは入りにくいものです。日本の銀行に口座がある人は、引き下ろす時は手数料の確認をした方が良さそうだ。
十六銀行(岐阜市)の様に、銀行に来てもらって顧客との接点を増やすために、自行ATMでの引き出し手数料を時間外も無料にする銀行の誠意をもっと見習って欲しいものだ。