ファーストリテイリングは、フィリピンにおけるユニクロ店舗の出店、運営を目的として、2012年1月にSMリテール社と共同出資して合弁会社、「ファーストリテイリング・フィリピン社(FRPI、所在地:マニラ首都圏パサイ市)を設立した。ファーストリテイリングの出資比率は75%である。
ユニクロ・フィリピン1号店は、2012年6月15日に、巨大ショッピング・モール「SMモール・オブ・アジア」に出店した。したがって、開業4周年を迎えたことになる。ユニクロ・フィリピンは初出店から約1年後の2013年5月に4店、2013年11月に10店に達した。約2年後の2014年5月には12店、2014年12月に20店突破、2016年3月末時点で27店と拡大してきている。
フィリピンでの出店は2015年央までは、マニラ首都圏を中心とするルソン島に限られていたが、今後は、ルソン島以外にも幅広く展開する意向である。まず2015年内に、マニラ首都圏に次ぐ都市圏であるセブに2店をオープンした。 10月23日にはセブ第1号店(ビサヤ地方第1号店でもある)が、ショッピングモール「SMシティ・セブ店」に、セブ第2号店はセブ南部の埋め立て地域(SRP)に立地するセブ最大のSMモール「SMシーサイドシティ」内に11月27日オープンした。
2015年12月以降は出店が一服となっていたが、まもなく、エビア3店(マニラ首都圏ラスピーニャス市ダンハリロード沿いのエビア・ライフスタイルセンターの1階)、アヤラモールズソレナド3店(ラグナ州サンタロサ ソレナド3 ビルディング3の1階)、ヌエバエシハ州カバンツァン市マリキナハイウェイ沿いのSMカバナツアン店の1階)の3店がオープンした。この3店を含む4店が5月末までにオープンして、フィリピン開業4周年時には30店を突破しているものと見られる。
なお、フィリピンでユニクロを展開するFRPIの合弁相手であるSMリテール社は、商業施設運営、銀行、不動産、ホテル、コンベンション事業などを展開するフィリピン最大級のコングロマリットであるSMインベストメンツ社の子会社であり、小売業におけるリーディングカンパニーで50年の歴史を誇っている。FRPIは2012年6月のユニクロ初出店時に、「数年間でユニクロを50店舗出店、遠くない将来[2020年頃]にフィリピン首位となることを目指す」と表明している。
2013年8月末時点ではフィリピンのユニクロ店舗数は6店でアセアン主要国では、シンガポールの12店、マレーシア10店、タイ10店の後塵を拝し、第4位にとどまっていた。2014年11月末時点でも、フィリピン店舗数は19店に増加したものの、依然、マレーシアの23店、シンガポールの21店、タイの21店に及ばず第4位のままであった。ところが、2016年3月末時点では27店で、マレーシアの34店、タイの31店に次ぐ第3位(4位はシンガポール24店)となっている。(ユニクロ・フィリピン、ファーストリテイリング資料等より)
シンガポールは小さい島でもあり、出店は限られてくると思われるが、経済が好調なフィリピンでは、地方展開を含めて出店は増えていくようだ。