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フィリピンのEV市場


 フィリピンの電気自動車(EV)市場に拡大の兆しが出ている。業界団体は今年以降、電動三輪タクシー(電動トライシクル、eトライク)と電動ジプニー(eジプニー)の普及が進むとの見通しを示し、「潜在性は十分に秘めている」と強調。しかし、EVをめぐっては、融資リスクや充電施設の整備など課題もあり、普及に向けたハードルは依然として高いとの声があるのが現状だ。
 
 フィリピン電気自動車連盟(EVAP)のロメル・フアン会長は会見で、2015年にエネルギー省が進めるeトライク導入事業の第1弾入札を、渦潮電機(愛媛県今治市)の子会社BEMACエレクトリック・トランスポーテーション・フィリピンが受注したことに言及。「産業に与える影響は大きく、これを皮切りにEVの普及が進む」と強調した。
 
 今年に入って、BEMACのほか、複数の地場eトライク・メーカーが生産を本格的に開始したことも追い風となると述べた。フアン会長は「路上を走るEVが増えるにつれて、認知度も上がる」と指摘。EVAPとして、産業全体に税優遇などを付与する仕組み作りを政府に求める方針も明らかにしている。
 
 フィリピンではトライシクルが約350万台、ジプニーが約35万台走っており、その多くが環境規制に適合していないとされる。フィリピン政府は排ガス問題などから、これらの車両の電動化を進める方針を示している。
 
 一方で、EVの普及には課題が残っているのも事実だ。業界関係者は、既存のトライシクルは価格が10万ペソ(約236,000円)程度だが、eトライクは20万~25万ペソが相場と説明。ローンを組んで3年払いで購入する場合、「1カ月当たりの返済額はeトライクの方が割高となるため、焦げ付きリスクが強まる。金融機関も融資を渋る傾向にある」と述べた。返済額が増えることから、購入に二の足を踏む運転手も多いという。
 
 EVに搭載されているバッテリーの充電施設の整備が進んでいないことも課題といえそうだ。EVAPのフアン会長はこれについて、「EVの利点は、1回当たりの充電代をガソリン代の3分の1以下に抑えられること。設置場所を増やすには、車両と同じく充電施設を提供する企業にも政府が税優遇を与えるなどの後押しが必要」と語った。
 
 EVAPは、4月にマニラ首都圏パシッグ市で「第5回フィリピン電動車両サミット」を開催した。政府や業界関係者が一堂に会して、今後の業界の方向性や課題解決について議論している。(NNA等より)





 フィリピンのトライシクルやジープニーの車両の電動化を進めているが、ネックは既存の車両よりも高く、電気自動車を導入したいお金の無い運転手に対して、焦げ付きを恐れて金融機関も融資を渋る傾向がある。

 アセアンを含めて電気自動車市場を広げて値段を下げなければ、進展は遅れそうだ。政府も環境に優しい電気自動車を推進すべく汗をかいて欲しいものだ。












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