八十二銀行(長野市)はこのほど、長野県産のワインをフィリピンの実業家らに紹介する商談会をフィリピンで開催した。巨峰を使用したワインの独特の味わいや質の高さを売りに、競合ひしめくフィリピンのワイン市場への参入を狙う。
商談会はフィリピンの市場調査を主要目的に、商業銀行大手BDOユニバンクに出向している八十二銀行の行員が中心となって企画した。販売先として想定する飲食店のオーナーらにワイナリー、リュードヴァン(長野県東御市)の赤・白ワイン、スパークリングワイン、シードルを振る舞った。特に白ワインとスパークリングワインが好評で、参加者からは「舌の肥えた層にも受け入れられるのではないか」との声が上がった。
ただ、フィリピンでは日本産の日本酒、や酎、ウイスキーなどが知られるが、ワインは認知されていない。フィリピン人の多くはオーストラリアやアルゼンチン、チリ産の800~1,500ペソ(約1,800~3,500円)の廉価品なワインか、欧州や米国産の高級品を飲むという。
商談会では、日本の2,000ペソ以上するワインを売るためには、①ワイナリーが来比して試飲会を実施する。②著名なワイン評論家に評価してもらう。③日本料理店やレストランで出して味を知ってもらう。等々、積極的なプロモーションが必要との指摘もある。
フィリピンはある意味、アジアの中ではワインが豊富に出回っているワイン天国で、廉価品のワインは200ペソからある。1,000ペソ前後の値段で品質の良いワインもあり、日本産の2,000ペソ以上するワインでは苦戦が予想されそうだ。私もワインを飲むが、フィリピンでは400ペソ以上出せば、良いワインに巡り合えると思っている。