海外旅行の際、欠かせないパスポート。普段、意識することはありませんが、パスポートの「強さ」は国ごとに異なります。こうしたパスポートの「強さ」をランキングにしたサイト「Passport Index」(https://www.passportindex.org/)の2016年版が公開されました。
それによると、日本のパスポートで「ビザなし渡航できる国や地域」の数は153。一方で、アフガニスタンやパキスタンのパスポートでは30未満にとどまります。では、今年の「世界最強」パスポートはどこの国だったのでしょうか。
「Passport Index」は、カナダに本拠を置くコンサルティング会社アートン・キャピタルが昨年3月に開設。先日、データを最新版に更新し、更に機能を加えた2016年版の公開を発表しました。
ランキングは、ビザなしか、事前の手続きなく到着時のビザ取得で入国できる国や地域の数を集計した「ビザ自由度指数」に基づきます。対象は昨年同様、国連加盟国に台湾や香港など6つの地域を合わせた計199の国と地域です。
今年の1位は、ドイツ(昨年3位)とスウェーデン(昨年6位)。ビザなし渡航できる国や地域は157に上ります。両国のパスポートを持っている人は、思い立てば世界中の約8割の国を訪ねることができます。
3位(156カ国)には、イタリア、フランスなど6カ国。ランキング上位には、ヨーロッパの国々が並びます。
昨年1位を分け合った英国と米国は、それぞれ3位タイ、14位タイと昨年から順位を落としています。とはいうものの、渡航可能な国自体は昨年の147カ国から増えています。
今年のランキングでは、150カ国以上ビザなし渡航できるパスポートが28カ国分に上ることから、より気軽に海外渡航できるようになったとも言えそうです。
【パスポートランキング上位】
1位(157カ国)・・・ドイツ、スウェーデン
3位(156カ国)・・・フィンランド、イタリア、スイス、フランス、スペイン、英国
9位(155カ国)・・・デンマーク、オランダ、ベルギー、韓国、ノルウェー
14位(154カ国)・・・シンガポール、ルクセンブルク、オーストリア、ポルトガル、米国(※Passport Indexから。複数の国が同順位で並んだ場合は以下の順位を繰り下げているため、サイトの順位とは異なります)
日本のパスポートでビザなし渡航できるのは153カ国。ランキングではギリシャ、アイルランドと並ぶ19位で、昨年の8位タイから順位を落としました。アジアのみでみると、最上位は昨年と同じく韓国。昨年2位だった日本は、シンガポールにも抜かれてしまってアジア3位でした。
とはいうものの、昨年のランキングと比べると、日本のパスポートでビザ無し渡航できる国の数自体は、10カ国増えました。
一方、ビザなし渡航可能な国が最も少なかったのは、アフガニスタンの25カ国。下位には昨年同様、ソマリア、イラクなど政情が安定しない国が目立ちます。
内戦が続くシリアは下から5番目の195位。昨年の162位から大きく順位を下げ、ビザなし渡航できる国も昨年の48カ国から、今年は34カ国に減ってしまいました。
【パスポートランキング下位】
199位(25カ国)・・・アフガニスタン
198位(28カ国)・・・パキスタン
197位(31カ国)・・・イラク
196位(32カ国)・・・ソマリア
195位(34カ国)・・・シリア
194位(36カ国)・・・南スーダン
188位(37カ国)・・・バングラデシュ、パレスチナ自治区、イラン、リビア、エチオピア、スーダン(Passport Indexから)
「Passport Index」2016年版では、新たに複数の国のパスポートの「強さ」を比べられる機能が追加されました。同社は「各国の人々が、手にするパスポートによって、世界の中でどれぐらい自由に移動できるのかを示した」と説明します。
例えば、日本と韓国を比較すると、今夏にリオ五輪が開かれるブラジルに渡航する場合、日本のパスポートではビザが必要ですが、韓国は不要だという違いがわかります。逆に中国へは、日本のパスポートがあれば15日以内の滞在はビザが免除されますが、韓国のパスポートではビザが必要になります。
厳密にはビザが必要かどうかは、渡航目的や滞在日数などによっても変わってきますが、各国のパスポートを比べてみることで、その国の世界の中でのポジションや他国との関係も垣間見えてきます。興味がある方は、「Passport Index」をのぞいてみてください。(withnews等より)
ビザ無し渡航できるのが150カ国以上だと、ランキングは関係なく不便は感じないと思う。ただ、今夏にリオ五輪が開かれるブラジルは、日本と関係が深いと考えられていたのにビザが必要なのは残念ですね。