好調なフィリピン経済を牽引するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=業務の部分的な外部委託)産業が拡大を続けている。フィリピン情報技術ビジネス・プロセス協会(IBPAP)によると、今年の売上高は前年比21%増の160億ドル(約1兆5845億円)が見込まれ、目標額の157億ドルを超えることが明らかになった。現地紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
フィリピンのBPO産業は現在、国内総生産(GDP)の約8%を占め、経済発展の原動力となっている。さらなる投資で成長が加速しており、BPO産業のうちでもコールセンターなど音声サービス部門は、2010年にインドを抜いて世界第1位に躍り出た。
また、失業率低下が大きな課題のフィリピンにとって雇用創出面での貢献も大きい。
今年のBPO産業の雇用者数は96万人と予測され、目標値の92万5000人を3万5000人ほど上回るという。
同協会のメルカド会長は「16年のアキノ政権の任期終了までに、売上高250億ドル、雇用者数は130万人を目指す」との方針を示している。
一方、BPO産業が急成長し、雇用創出が期待されるものの、需要に見合う技能を持つ人材が不足している問題が浮き彫りになっている。
事業が拡大し成果が上がると、顧客からはさらにレベルの高い業務が委託されるが、仕事をこなす技能を持った人材が足りない。特に金融や会計分野で需要が急速に高まっている。
メルカド会長は「BPO産業の成長の勢いを止めないためにも早急な人材育成が課題」と指摘。政府や教育機関と連携して必要な技能が習得できるコースを設置し、即戦力となる人材のの育成を促進するなど、フィリピン経済を下支えするBPO産業の人材不足解消に向けて、さまざまな取り組みが始まっている。(Sankei-Biz等より)
今回のような大きな災害に見舞われても、自力回復できる位の国力を付けるには、国の成長が必要。BPOだけでなく、産業基盤の強化に努め国を発展させて欲しいものだ。