経営再建中のマレーシア航空の救済に、同国格安航空会社(LCC)エアアジアの元会長が率いる投資家グループをはじめ4者が名のりを上げた。政府は新規出資を受けて再建を加速させる狙いだ。ただマハティール首相は「解雇はさせない」などの条件もつけており、抜本的な立て直しが実現するかは不透明だ。
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マレーシア航空は新たな出資で再建を果たせるか=ロイター
マハティール首相は現地メディアに明らかにした。同首相は「(提案者の)多くがマレーシア企業」だとし、「すべてを検討する」と語った。
このうちエアアジア元会長のパハミン・ラジャブ氏らによる提案は株式の49%取得を目指す。同氏はマレーシア航空の資産査定を始めると首相に報告した。提案にはエアアジアは関与していないとされる。また6月にマレーシア航空との戦略提携で合意したシンガポール航空は出資には消極的な姿勢を示している。
マレーシア航空は2014年の2件の墜落事故で経営難に陥り、同年、完全国有化された。政府投資ファンドのカザナ・ナショナルが60億リンギ(約1,570億円)を投じ、6千人解雇などのリストラに乗り出したが、再建は難航していた。
マハティール氏は3月、同社の売却や解散も視野にいれていると明かした。政府は前政権から引き継いだ1兆リンギの債務解消を急いでいる。政府には、2015~2017年の3年間の赤字額は合計で24億リンギに上り、赤字脱却のメドが立たないマレーシア航空を支え続ける余裕はない。
既存航空会社(FSC)のマレーシア航空、同じマレーシアにはアジア最大の格安航空会社(LCC)に育ったエアアジアもあり苦戦している。航空機事故を起こしたマレーシア航空は、LCCの価格に対抗できるサービスを見出さない限りは難しいと思われる。SFCとLCC。共存共栄を目指して、頑張って欲しいものだ。