フィリピン統計庁（PSA）は、2015年12月及び年間（1月～12月）のモノの輸入速報値を発表している。
[2015年12月単月動向]
12月の輸入額は７カ月ぶりに減少し、前年同月比２５．８％減の４０億５，６４９万米ドルと二桁減。2009年4月に前年同月比３７．１％減を記録して以来約７年ぶりの大幅減少となった。主要１０品目のうち９品目が前年同月を下回ったことによる。
輸入を項目別に見ると、将来の輸出につながる資本財輸入は前年同月比２０．９％増の１５億３，５１２万米ドル（シェア37.8%）と二桁増。一方近い将来の輸出に直結する原材料・中間財輸入は５３．２％減の１２億３，１１１万米ドルと大幅減になった。そのうち最もシェアの大きい半加工原材料の輸入は５３．８％減の１１億３，２５７万米ドル。消費財は２０．３％減の６億１，７０４万米ドルであった。
個別ベースでは、1位がエレクトロニクス製品（半導体など）で前年同月比３０．３％減の１２億８，００３万米ドル（シェア31.6%）。その大きなシェアを占める半導体が３９．８％減の９億２，６４７万米ドルと二桁減であった。２位は鉱物燃料・潤滑油で１４．１％減の６億４，９２７万米ドル。３位は輸送機械で３．３％減の３億４，０１６万米ドル。４位は産業機械・装置で３．２％減の２億６，２２１万米ドル。５位はその他食品＆家畜で４７．９％減の１億７５４万米ドルと軒並み前年同月を下回った。
国別輸入先トップは中国で前年同月比１３．７％減の６億８，７７５万米ドル（シェア17.0%）、２位は日本で４．９％増の４億８，１５７万米ドル（シェア11.9%）、３位は米国で２０．６％減の４億１，７０５万米ドル（シェア10.3%）、４位はシンガポールで２８．９％減の３億２，２７６万米ドル（シェア8.0%）、５位は韓国で１１．６％減の３億１，２１４万米ドル（シェア7.7%）。
12月の貿易収支は６億３０３万米ドルの黒字となり、前年同月（6億6,700万米ドルの赤字）から黒字に好転した。フィリピン最大の貿易黒字相手国は香港で、対香港貿易収支は４億６，６０７万米ドルの黒字に上った。次いで日本で、対日貿易収支は４億５，７６０万米ドルの黒字であった。一方、最大の貿易赤字相手国は中国で対中赤字は２億６，５６０万米ドルであった。
[2015年年間の動向]
年間の累計輸入額は前年比２．０％増の６６６億８，５６０万米ドル、一方、発表済みの累計輸出額は６％減の５８６億４，８００万米ドル。この結果、貿易収支は８０億３，７００万米ドルの赤字となり、前年（32億9,600万米ドルの赤字）から赤字幅が１４３．８％拡大した。
項目別に見ると、資本財輸入が前年比２２．５％増の１９７億６，９４３万米ドル。原材料・中間財輸入は６．８％増の２７９億９，１６７万米ドルで、そのうち最もシェアの大きい半加工原材料の輸入は７．０％増の２５８億９，２５０万米ドルと増えた。消費財は１２．３％増の１０５億８，３８４万米ドルであった。
個別ベースでは、1位はエレクトロニクス製品で前年比３２．０％増の２０１億９，３６３万ペソ（シェア30.3%）、そのうち半導体は３２．５％増の１５５億３，３６２万米ドル。次いで鉱物燃料・潤滑油の４０．１％減の７８億９，８７５万米ドル。３位の輸送機械は５．２％減の５９億１，３１４万米ドル。４位は産業機械・装置で２８．６％増の４１億６，９０１万米ドル。５位はその他食品＆家畜で３．９％増の２３億２，４２１万米ドルなど。
国別輸入先トップ３は中国、米国、日本。１位は中国で前年比９．７％増の１０８億３，０３０万米ドル（シェア16.2%）、２位は米国で２１．５％増の７２億１，７１５万米ドル（シェア10.8%）、日本は前年比２１．５％増の６３億８，３６５万米ドル（シェア9.6%）で第３位だった。次いで台湾の１８．３％増の５２億６，２５３万米ドル（シェア7.9%）、５位はシンガポールで１．９％増の４６億７，８３２万米ドル（シェア7.0%）、６位は韓国で１４．７％減の４３億３，６３５万米ドル（シェア6.5%）、７位はタイで２１．８％増の４２億３，９４３万米ドル（シェア6.4%）と続いた。（フィリピン統計庁発表等より）
フィリピンは日本に対して、輸出は１位、輸入は３位で、貿易黒字国であることは変わりは無い。燃料類は石油価格の低下で４０％減で、貿易収支も良かったようだ。
国内産業を育成して工業国になるのはまだまだ先のようなので、ＯＦＷの力は必要のようだ。