海外で日本茶人気が熱いようだ。日本からの輸出量も、この10年間で約4倍に増えた。人気のわけは?
「Oi Ocha」「matcha LOVE」
東京都渋谷区の伊藤園本社の応接室には、アルファベットで書かれた海外向けの日本茶のペットボトルが並ぶ。「グーグルなど米国西海岸にあるIT企業の社員食堂で飲まれ、頭がスッキリすると評判です」。岩田孝浩広報部長は話す。西海岸だけで数十社と取引し、米国全体で年間25億円を売り上げる。
ブームを引っ張るのは、肥満が社会問題化する米国に広がるヘルシー志向だ。日本茶に含まれるカテキンの脂肪の燃焼を促す効果が注目を集めている。飲み物としてだけでなく、抹茶味はケーキやアイスなどのスイーツとしても人気で、伊藤園もニューヨークに今年、抹茶ドリンクや抹茶ソフトクリームを出す専門店を準備中だ。
アジアにも日本茶が進出している。アサヒグループホールディングスは2013年から、インドネシアでペットボトル入りの日本茶を1本約50円で売り出す。元々、緑茶を飲む習慣があり、「高品質な日本産」のイメージが売りだ。
海を渡る日本茶が増え、国内の農家も輸出にシフトしている。茶の生産量が日本一の静岡県。御前崎市の「やまま満寿多園」の増田剛巳(つよみ)社長は一昨年、米国など27カ国・地域に274トンを輸出。日本の輸出量全体の約8%を1社で占める。
輸出に活路を見いだすのは、国内で茶の消費量が減っているからだ。総務省の家計調査によると、1世帯あたりの日本茶の購入量は、2014年が889グラムと20年前より約25%減った。一方、2014年のコーヒーの購入量は2,398グラムと記録の残る2000年以降で約4割増えた。日本茶輸出促進協議会の担当者は「日本茶以外の飲み物を選ぶ人が増えた」と話す。
日本茶にかかっていた関税が、環太平洋経済連携協定(TPP)でゼロになることから「静岡や鹿児島が世界有数の茶所とよばれる日も近いかもしれません」。安倍晋三首相は昨年10月、農産物輸出の目玉になると強調した。
だが、実は日本を除くTPP参加11カ国のうち8カ国はすでに関税がゼロ。日本茶への関税があるのは、ベトナム(22.5%)、メキシコ(10%)、ペルー(6.8%)の3カ国だけで、輸出量も2013年で0~8トンと全体の1%に満たないという。
日本茶輸出組合の谷本宏太郎副理事長は「輸出のハードルは関税よりも国ごとに厳しく設定されている残留農薬基準だ。基準の緩和と統一に向けて政府には動いてもらいたい」と話す。日本茶の残留農薬の基準は各国で異なり、ある農薬は欧州で日本の基準の数百分の1という厳しさだ。
こうしたなか、取扱量の8割が海外向けの「やまま満寿多園」では、系列も含め約32ヘクタールの茶畑で、農薬を使わない有機栽培や減農薬栽培に取り組む。病害虫対策に高価なフェロモン剤を使って虫の繁殖を防ぐなど、10年以上かけて輸出向けの栽培方法を確立した。増田社長は「海外を目指さないと先はない」と話す。(朝日新聞等より)
環太平洋経済連携協定(TPP)の参加国は、日本以外にはカナダ、米国、メキシコ、ペルー、チリ、ニュージーランド、豪州、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ベトナムの12カ国。
フィリピンの我が家にも日本茶を置いているが、日本食を食べるる時ぐらいで、あまり飲んでいない気がする。
フィリピンでもソーダ税が導入されコーラなどの飲料が上がるが、お茶に代わるかは微妙なようだ。