環太平洋経済連携協定(TPP)の発効をにらみ、国内物流大手が野菜や魚など国産の農水産物をアジアに運ぶ事業を拡大する。日本郵便は冷蔵した荷物を扱う郵便局を2割増やす。日本郵船グループは鮮度を保つ特殊な船便を始めた。農水産物分野では輸入増による競争激化が予想されるTPPだが、関税撤廃や税関手続きの簡素化は日本産品を海外に売り込む商機にもなる。物流などを中心に新たなビジネスの潮流が生まれそうだ。
日本からの農林水産物の輸出額は2014年で約6,100億円と過去最高を記録した。和食人気を受け、アジアを中心にイチゴやマグロなど日本の食材への需要が拡大している。TPPによる関税撤廃で食材価格も手ごろになり、アジアの食卓を狙うビジネスが活発になるとみられる。
こうした機運を踏まえ、日本郵便は日本航空と組んで2013年から展開している生鮮品を小口で冷蔵・冷凍輸送するサービスを拡充する。香港や台湾、シンガポールなど6カ国・地域に2日程度で届ける「クールEMS」の取り扱い郵便局を2016年4月から2割増やし100局超にする。現在は小ぶりの荷物しか扱えないが、来春からは体長50cm前後の魚が丸ごと入る大型容器も追加する。
航空便を使う保冷輸送ではヤマト運輸も全日本空輸と組み「国際クール宅急便」を展開する。香港に加えて今年3月から台湾、8月からシンガポールへの配達を始めた。今後TPP参加国のマレーシアなどにも拡大することを検討する。
船便では、日本郵船子会社の郵船ロジスティクスが、低温で酸化を防ぎながら果物や野菜を輸送するサービスを本格的に始めた。特殊な装置をコンテナに取り付けて、2週間程度鮮度を保てる。
TPPが発効すると、急ぎの荷物は空港に到着後6時間以内に業者が受け取れるようになり、物流各社の取り組みを後押ししそう。また、日本の物流技術は冷蔵・冷凍といった温度管理に定評があり、医薬品などの物流でも日本勢が主導権を握る可能性がある。(日経新聞等より)
ヤマト運輸と全日本空輸と組み「国際クール宅急便」を展開している様子をテレビで見たが、連携プレーは見事だった。
タイに日本の製氷会社が進出したり、冷凍・冷蔵といった温度管理や、鮮魚を傷めず輸送する技術等は定評がある。
これらを使って、外国に居ても日本と同じような鮮度で食べられるのは有り難いものだ。ただ、少し高いので一般的に流通して価格も下がって欲しいものだ。