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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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生活保護受給者は過去最高だが?

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 公的年金制度を長期的に維持可能なものにするための「マクロ経済スライド」が初めて発動されて、年金支給額の伸びが物価・賃金の上昇率(2.3%)を下回る初の「実質減額」となったのが、今年4月である。それから3カ月ほどで発生した今回の衝撃的な新幹線焼身事件に関する報道を見聞きして、「公的年金だけに頼って老後を過ごすのはやはり難しそうだ」という思いを抱いた人は、結構多かったのではないか。
 
 厚生労働省は325日、2013年度の被保護世帯数(生活保護受給世帯数;1カ月平均)が159万1,846世帯(前年度比+2.1%)になり、過去最高を更新したと発表した。被保護実人員(生活保護受給者数;同)は216万1,612人(前年度比+1.2%)で、こちらも過去最高である。
 
 被保護世帯の内訳では、「高齢者」が71万9,625世帯で、全体の45.4%である。受給する年金だけでは生活していくことができず、預貯金もなくなり、就労もままならないケースが、この中には数多く含まれていると推測される。
 
 2013年度に前年度比の伸びが鈍化したことについては「景気回復の影響が大きいと考えられる」(厚労省)というが、大きな流れとしては、景気循環における位置どころ(景気の好悪)には関係なく、経済格差や高齢化進展ゆえに、生活保護を受給する世帯・人の数は増えやすくなっていると言えそうである。被保護世帯数は1993年度以降21年連続の増加で、被保護実人員は1996年度以降18年連続の増加となっている。
 
 厚労省が「被保護者調査」として月次で公表している概数を見ると、6月に公表された3月分では被保護世帯数が162万2,458世帯、被保護実人員が217万4,331人で、ともに過去最高を更新。7月に公表された4月分では受給世帯数、受給者数ともに減少し、厚労省は「新年度に入り、就労して保護を脱却する人が増えた」とみているが、この流れがそのまま続くという見方には懐疑的である。前年同月比はそれぞれ+1.3%、+0.2%で、マイナスになっていない。
 
 なお、最低賃金が引き上げられたため2014年度には生活保護水準と最低賃金の逆転現象が全都道府県で解消した。だが、このことによって生活保護を受給する人が減る効果は、ごく限られたものにとどまるだろう。
 
 財務省が編成に着手した2016年度予算の概算要求では、社会保障関係費の要求を2015年度比6,700億円増まで認めることになった。2015年度の8,300億円増から増加幅は圧縮されたが、その理由は生活保護費や失業保険給付の減額が見込まれるからとされている。だが、生活保護費についてはおそらく減少(前年度比マイナス)ではなく、増加分のプラス幅が前年度よりも小さくなる見込みだという話だろう。 
 
 景気回復の実感が庶民のレベルでは一向に広がらず、しかも社会の高齢化が急速に進む中で、医療や介護だけでなく生活保護の面でも、社会保障関係費には増加圧力が今後もかかり続けるだろう。
 
 だが、それと同時に財政の健全化が避けて通れない状況であり、放っておけば現役世代の負担が過度に重くなる結果、経済の活力が損なわれたり、有能な若者が海外に逃避したりする恐れがある。
 
 このジレンマをどう解消するか。難題である。政治が世代間の利害を調整する必要があるわけだが、その際の妥協点はどうしても「痛み分け」的なものにならざるを得ないし、社会保障関係費の増加額をできるだけ抑制しようとする方向性自体は動かないだろう。
 
 また、高齢者向けに傾斜し過ぎている日本の社会保障関係費の配分を、日本という国の未来を担う子どもを増やすことに資する経費を増やす方向で戦略的に見直すことが必要だと考えざるを得ない。
 
 老後に関する人々の不安が完全に解消されるような妥協点は、残念ながら見当たらない。(日経新聞等より)





 新幹線焼身自殺事件を起こした人は、年金月額12万円を貰っていたそうだが、生活保護の対象になるかと言えば、なる可能性はあったと思う。

 東京23区内の、71歳の男性に対する生活保護基準は、生活扶助が7万4,630円、住宅扶助の上限額が5万3,800円、それらの合計の上限額は12万8,430円です。年金の「月額12万円」が額面なのか手取りなのかは分かりませんが、もし額面が12万円だったら、介護保険料がだいたい5,000円くらいですから、手取りは11万5,000円くらいになります。
 
その11万5,000円から家賃の4万円を引いても、7万5,000円で、生活扶助の月額よりも、わずかながら多い。でも、活保護の対象になるかどうかの計算では、収入から国民健康保険料・介護保険料・定期的な医療費などを差し引くことができるのです。
 
 「杉並区国民健康保険料のご案内」を見てみると、例として、この人と同様の所得状況にある「杉並なみ男」氏の国民健康保険料が掲載されており、健康保険料は年額10万8,800円である。仮に健康保険料が同額だったとすれば、1ヵ月あたり9,067円。年金収入のうち、生活保護で「生活費」と認定される部分は6万5,933円となる。生活扶助の7万4,630円を、8,697円下回っており、「年金月額12万円」が手取りであったとしても、3,697円の不足となり、いずれにしても生活保護の受給資格を満たすことになったようだ。

 それに、持病があって定期的な通院をしていたのなら、その医療費も含めて計算することになりますので、もし通院をしていたのなら、間違いなく生活保護基準以下になっていたはずです。大きな病気をすれば、確実に生活保護の対象になるはずです。

 残念なのは、福祉の専門家で無い区議や区役所職員は、福祉事務所に行きましょうとは即答できなかったようだし、生活保護の対象になるかどうかの計算では、収入から国民健康保険料・介護保険料・定期的な医療費などを差し引くことができることを、福祉事務所の職員でも知らない場合もあるようなのが問題だ。

 悲しい痛ましい事件で、被害者には何の落ち度もなく巻き込まれたが、社会のセイフティー・ネットが生かされない世の中も問題で、このことが起きない世の中にして欲しいものだ。

 年金月額12万円は、年金を貰っている人の中では多い方の部類に入ると言う。資産や親兄弟がなければ、それ以下の人たちは全て保護対象になりうるということになります。

 この金額は、フィリピンの地方都市で大病を患っていなければ、贅沢は出来なくても十分に生活できるだろうし、秘境ならなおさらと思う金額でもありますね。












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