夏といえばかき氷。暑さでほてった体に、氷の冷たさと甘みがたまらない。日本でもこの数年、専門店の出店が相次いでいる。天然氷を使い、シロップに野菜や季節の果物を採り入れるなど、こだわりの店も多い。進化するかき氷の魅力を探りつつ、家でもおいしく作るコツを教えてもらい常夏の国で試してみたいと思った。
口どけのいい氷、とろりとしたかぼちゃのシロップ、ほろ苦いキャラメルソース。極上スイーツを食べた気分にさせてくれるかき氷専門店も出てきた。
生の果物で作るシロップ、フロマージュ(チーズ)、コーヒーなどの洋風の味のほか、黒糖、きなこといった和物との組み合わせも様々。今年は従来のかき氷の概念を超える物が出てきたようだ。
氷へのこだわりも強い。天然氷はその年の気候で出来が違う。削り具合も刃の角度を調節するなどして、ふわっふわっ、さらさら、ジャリジャリなどさまざまなものになった。
どこを食べても、最初から最後までおいしいように、氷やシロップ材料の特性を考え、組み合わせるのも大事なようだ。
しかし、家で作るとどうしても味に偏りが出て途中で飽きる人が多い。店のように作れないし、シロップもマンネリになるので、店ような食感にするのは難しいが、おいしくするコツを聞いてみた。
まず、氷は天然水で作る方がおいしいようだ。冷凍庫から出したら室温にしばらく置く。氷の表面がトローッととけ始め、「汗をかいた」透明の状態が削りどきで、刃の当たりが良くなりキレイに削れるが、水は絶対かけてはいけないそうだ。
シロップで氷が沈まないよう、氷をかく時は器の周りに積んでいき、優しく包むようにまとめる。目指すのは「綿菓子の雪玉」。次に練乳を回しかける。脂肪分で氷が沈まないようにする。粘度の低い方が満遍なくかけやすい。その後にシロップ。これを繰り返して層を作る。
特別なぜいたく感があるシロップ作りにも挑戦してみたい。旬の熟れた果物をミキサーにかけ、砂糖と水を煮詰めた白蜜を混ぜ、とろみと甘味を調節。甘さは控えた方が素材の味が生きる。冷凍焼きイモもお薦めだという。ラム酒につけたレーズンをふれば大人のかき氷に。器やシロップは必ず冷やしておこう。
かき氷の歴史は古く、平安時代の「枕草子」には、「削り氷」に甘い液をかけて食べたとされている。
先人の知恵を拝借、甘酒をシロップにするのもいい。ある専門店の夏メニュー「氷甘酒」は、自家製米糀(こうじ)で作る甘酒を使うそうだ。甘味料ゼロでノンアルコール。江戸庶民も夏に飲んだという。栄養価が高く、夏バテ防止になる。氷甘酒は、白蜜と冷やした甘酒を器に入れて氷をかく。
日本だけでなく、台湾やシンガポール、フィリピンなどでも氷を食べる文化はある。韓国の「パッピンス」は日本流に言えば「小豆氷」。「ミスカル」と呼ぶ玄米、麦、大豆、ごま、緑豆などの穀物を粉にしたものをかけるのが伝統的らしい。きな粉に似た風味で、ビタミンやミネラルが豊富のようだ。
「かき氷」の魅力は、懐かしさと斬新さ。専門店をめぐり、お気に入りを見つけるもよし、自宅で果物や野菜で自分好みのシロップをアレンジするのも楽しい。暑くても楽しい夏を過ごせそうだ。(日経新聞等より)
フィリピンも「ハロハロ」があるが、やはり日本のかき氷が好きだ。今までも日本からシロップ等を持って行き、バコロドでもかき氷を時々楽しんでいます。
バコロドでも、シロップ作りをして楽しんでみたいものだ。