日本年金機構が約125万件の個人情報流出を公表してから、1カ月以上たった。該当する約101万人には約束通り謝罪文を送り終えたが、対応費はすでに1億円を超えた。今後、さらに大幅に膨らむのは必至で、財源は国民の負担で賄われる見通しだ。
「印刷代と郵送代で1億円強」。塩崎恭久厚生労働相は1日の衆院厚労委員会で、謝罪文にかかった費用を明かした。サイバー攻撃による情報流出の代償は、これだけで済まない。
年金記録の管理に使う基礎年金番号が漏れたことで、約101万人分を新しい番号にする。9月以降に予定する新番号の通知は簡易書留などを検討。厚労省幹部は「(謝罪文書より)数倍の費用がかかりそう」と話す。変更のためのシステム改修費も必要になる。
6月30日までに51万件あまりの相談を受けた専用電話窓口の人件費や、情報流出を防ぐ新システムづくりにも費用がかかる。
その財源について、安倍晋三首相は衆院予算委員会で、現役世代の加入者が払う保険料と税金を挙げ、「どちらかから出さないといけないのは当然のことだ」と答弁した。
一方、塩崎厚労相は今回の問題を受けて報酬の返上を示唆している。1日の衆院厚労委員会で返上を判断する時期を問われ、流出問題を検証する厚労省の第三者委員会の結論を踏まえた上で「一定のけじめをつける」とした。ただ、第三者委員会が結論を出す時期は決まっていない。(朝日新聞等より)
情報流出に対する対応費は、謝罪文の印刷代と郵送代ですでに1億円。相談窓口のコールセンター代、情報流出を防ぐ新システム導入費、基礎年金番号が漏れたことによる新番号及び通知費用等々が考えられ100億円では済まないだろう。
その費用は、現役世代の加入者が払う保険料と税金になるという。厚労相の議員報酬でなく厚労相としての報酬分の返上の示唆しているだけで、誰も責任を取るという話に至っていない。日本年金機構の責任ある態度を一度見せて貰いたいものだ。