フィリピンは、世界経済フォーラムが隔年で発表している「旅行・観光競争力報告書」の2015年版で、141カ国・地域中74位となった。前回2013年版の82位から8つ順位を上げた。同国政府が観光振興に注力していることなどが要因だ。
このランキングは、観光政策やビジネス環境、観光資源、衛生、インフラなどについて14分野90項目を評価し、指数化して順位付けする。
フィリピンは、14分野のうち、価格競争力が24位、観光業への政策優先度が27位、国際的開放度が29位、自然資源が49位と高評価を得た。
世界経済フォーラムのエコノミストは、フィリピンが政府予算の6%超を観光関連事業に充てたほか、観光査証(ビザ)制度を改善し、世界人口の約8割がビザなしで同国に滞在可能となったことなども、観光競争力の向上につながったとみている。
一方で、同国は観光サービス関連インフラが82位、陸上・港湾インフラが93位、持続可能な環境保全が122位、セキュリティーが128位となっており、観光インフラの整備や旅行者の安全対策などが課題となっていることが浮き彫りとなった。
また、同国は順位を上げたものの近隣国には後れをとっている。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国ではシンガポールが11位、次いでマレーシアが25位、タイが35位、インドネシアが50位などだった。
フィリピンは昨年の外国人旅行者数が500万人で、今年は860万人を目標に掲げる。今後、観光インフラの整備推進など旅行者誘致に向けた同国政府の実行力が問われそうだ。(Sankei-Biz等より)
これのトップテンは、1位:スペイン(2013年:4位)、2位:フランス(同7位)、3位:ドイツ(同2位)、4位:米国(同6位)、5位:英国(同5位)、6位:スイス(同1位)、7位:オーストラリア(同11位)、8位:イタリア(同26位)、9位:日本(同14位)、10位:カナダ(同8位)となった。日本のランクアップとしては、「顧客への対応」と「鉄道インフラの質」は前回に続き1位。新しく加えられた「テロ発生」の指標も1位だった。
フィリピン(74位)は、順位を上げたものの近隣国には後れをとっている。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国ではシンガポールが11位、次いでマレーシアが25位、タイが35位、インドネシアが50位などだった。
アジアでみても、香港13位、中国17位、韓国29位、台湾32位、インド52位、スリランカ63位、フィリピン74位、ベトナム75位、ブータン87位、ラオス96位、ネパール102位、カンボジア105位、バングラデシュ127位、ミャンマー134位で、ランクアップとなってもまだまだ低位だ。インフラ整備、環境保全、安全対策が鍵を握るようだ。