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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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介護報酬、利用者負担も連動

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 介護保険サービスの新しい値段が決まった。全体としては厳しい減額のなかで、厚生労働省は施設への給付を絞り、在宅支援の充実を掲げる。ただ現場からは懸念の声も聞こえてくる。高齢社会の命綱である介護保険のサービスや料金はどう変わるのか。
 
 在宅サービスについて、厚生労働省は要介護度が重い人や認知症の人に対する支援への加算を手厚くする。24時間態勢の支援も後押ししていく。こうしたサービスの対象となる高齢者は、介護を受けやすくなる可能性がある。
 
 介護保険では、使えるサービスの上限額が要介護度別に決まっている。24時間態勢で介護や看護などが受けられるサービスは在宅支援の柱だが、ほかのサービスを併用すると、上限額を超える場合がある。限度額を超えた分は全額自己負担になる。今回の介護報酬見直しで、限度額を超えた費用の一部も1割負担ですむ仕組みを入れる。
 
 また通所介護(デイサービス)などに行くとき、介護職員に着替えを手伝ってもらうことができるようになる。一人暮らしや老老介護世帯が増えているため、送迎時のこうした介助も介護報酬の対象となったためだ。
 
 家族の介護を理由に仕事を辞める人「介護離職」は、年間10万人に上るとされる。「仕事と介護の両立」を念頭に、介護保険で利用できるデイサービスの利用上限をいまの1日12時間から14時間に延ばす。
 
 こうしたサービスを含め、厚労省は在宅支援を充実させていく考えだが、利用者は介護報酬の原則1割を自分で負担する。このため加算で増額になり、中身が充実したサービスについては自己負担もその分増えることになる。
 
 一方で、今回の改定で在宅や認知症の支援が進むかどうか、不安の声もある。神戸市内の訪問介護事業所は、重度の人への加算の仕組みができたことについて「利用者の大半は軽度の人。加算をとるのは難しい」とみる。
 
 さらに認知症重視と言いつつも、認知症高齢者支援の切り札とされてきたグループホームは基本サービス費が大幅に減額となった。福島県認知症グループホーム協議会の森重勝会長は「小規模の事業者では経営に行き詰まるところもでてくるのではないか」と懸念する。
 
 特別養護老人ホーム(特養)などの施設は、基本サービス費が6%ほど引き下げられた。入居者からすると、1割の自己負担が軽くなりそうだ。
 
 ただ、特養を入居待ちする高齢者は約52万人いるとされ、まだまだ施設整備が追いついていない。今回の報酬引き下げについて、特養などの団体は「1施設あたり年1,500万円程度の減収となる」と訴える。
 
 運営に不安が強まれば、事業者の参入にブレーキがかかり、利用できるサービスが縮小、高齢者や介護する家族にしわ寄せがくる恐れがある。
 
 東京都北区では、200人規模の特養の開設を目指していた事業者が昨秋に計画を取りやめた。北区によると、介護報酬引き下げの見込みと資材高騰で採算が取れない、という理由だった。
 
 介護報酬は本来、地域で必要なサービスは何なのか、現場の実態を踏まえて決めていくべきもの。だが今回の改定では、膨らむ給付費を抑えようというまず「縮減ありき」で議論が進んだ感がある。拡充された加算をとろうとしても、人員配置や資格要件などで対応できない事業者も少なくないだろう。基本サービス費が下がる中では、職員の待遇改善がどれだけ進むかも未知数だ。介護現場の人手不足がさらに進む心配もある。
 
☆在宅サービス
 ①訪問介護(ホームヘルプ)・・・20分以上30分未満の身体介護を月7回、45分以上の生活援助を月8回利用。 3,820円→4,004円 ↑ (+184円)
 
 ②訪問看護・・・・・30分以上60分未満の訪問看護を月7回利用。
                     6,878円→7,038円 ↑ (+160円)
 
 ③通所介護(デイサービス)・・・要介護3の人が1日8時間のサービスを月10日利用。                 1万170円→1万5円 ↓ (-165円)
 
 ④定期巡回・随時対応サービス・・・要介護3の人が1ヶ月間利用した場合(訪問看護は使わず)。           1万9,136円→1万9,992円 ↑ (+856円)
 
 ⑤看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)・・・要介護3の人が1ヶ月利用した場合。            2万6,857円→2万7,883円 ↑(+1,026円)
 
☆施設サービス
 ①特別養護老人ホーム(特養)・・・定員50人の施設のユニット型個室を利用する要介護5の人。           3万1,530円→3万720円 ↓ (-810円)
 
 ②介護老人保健施設(老健)・・・定員80人の施設の相部屋を利用する要介護3の人。                 3万3,343円→3万3,275円 ↓ (-68円)
                                   (朝日新聞等より)






  特別養護老人ホーム(特養)など施設サービスではおおむね利用者負担は下がる一方、在宅サービスの多くは、介護度が重い人の支援に対する加算などが手厚くなる半面、利用者負担は増える見込みのようだ。

 施設サービスは、入居者の1割自己負担も報酬下げに連動して減るが、4人部屋など相部屋の入居者で、一定の所得のある人は8月から新たな負担を求められるようだ。いまは部屋代はないが、8月から月1万4100円(30日分)を支払う必要がでてくるようだ。

 訪問介護など多くの在宅サービスは、加算を含めると報酬が上積みされる。サービスは充実するが、利用者の1割自己負担は増えることになる。

 介護報酬の見直しは介護保険料にも影響する。2.27%の減額改定で、65歳以上が支払う保険料は、4月から230円ほど抑制されると試算されている。但し、利用者の伸びがそれを上回るため、保険料は月4,972円(全国平均の基準額)から、5,550円ほどに上がる見通し。

 最も、介護サービスにかかる費用は年間で総額10兆円に膨らみ、今後も制度を持続させるには介護費の抑制が欠かせないが、一方で2025年度には介護職員が30万人足りなくなるようで、人手不足の解消には賃上げも必要となる。今回の介護料金体系の見直しではこれらの両立もはかったようだ。

 ただ、利用もしないのに介護保険料は上がっていく。それに要介護3以上になっても特養等の空きは無い状態が続くようだ。それなら、海外でも介護保険が使えるように考えて貰いたいものだ。












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