フィリピン株式市場が強い動きを見せている。フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、2014年年間では22.76%の上昇となった。年間ベースでは6年連続の上昇となり、6年間の上昇率はなんと286%(約3.9倍)に達している。そして、2015年1月も非常に強い動きとなった。
2015年1月のフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、先進国市場の堅調な動き、アジア主要国では中国に続く2番目の高成長などフィリピンの強みが再認識されたことなどで非常に強い動きとなり、終値ベースでは7回の史上最高値を更新、月間で6.35%の上昇となった。
1月の大分類セクター別指数の上昇率トップは持株会社の8.25%。以下、不動産の6.50%上昇、工業の5.92%、金融の5.54%上昇、サービスの1.41%上昇と続く。唯一鉱業・石油のみが0.39%の下落となった。すなわち、大分類での6セクターのうち5セクターが上昇となった。
1月の1日当たり平均売買額は約123億2,000万ペソに達し、2014年平均の約88億ペソを大幅に上回った。外人の売買額シェアは44%で、2014年の49%から低下した。外人は約235億ペソの買い越しとなり、1カ月間だけで2014年の年間買い越し額約557億ペソの約42%に達した。
なお、フィリピン証券取引所(PSE)の時価総額は、2012年4月央に初の10兆ペソ台に到達、2013年初に11兆ペソ台、2014年11月に14兆ペソ台を突破した。2015年1月末時点では前年末比1.96%増の14兆5,300億ペソ、そのうち、国内企業時価総額が同5.0%増の12兆3,033億ペソとなっている。(PSE資料等より)
2012年以降のフィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率を見ると、2013年5月に株価が登り調子で史上最高値を付けた後、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策を早期に縮小するとの懸念が高まったことや、日本株が急落したことが背景となって、フィリピンの株価も連れられて急落したが、その年でも落ち込まず上昇しているセクターは、サービス株指数(8.20%)、持株会社株指数(5.41%)と、工業株指数(2.11%)で、外国資本の関係する不動産株指数(-4.30%)、金融株指数(-6.42%)、鉱業・石油株指数(-38.59%)は下降している。但し、昨年はそれらが盛り返して、今年1月の史上最高値更新が7回も記録したようだ。