「医療費負担増、高齢者に向かう?②」で、75歳以上の高齢者医療の保険料を特例で軽減する措置を、2016年4月から段階的に廃止するよう厚生労働省が方針を示しているとしたが、それを送らせて、2017年4月に廃止する調整に入ったようだ。
制度上は所得が少ない高齢者の軽減幅は最大で7割だが、現在は予算で補填して9割まで広げている。これを本来の軽減幅に戻す。2016年度の廃止をすると、来年の統一地方選や2016年の参院選を控える与党内で懸念が強いため、時期を後ろにずらす算段のようだ。
特例を具体的にどのように撤廃していくかは、今後詰めるようだが、保険料の特例軽減は、合計で865万人が対象で、75歳以上人口の約半数にあたる。厚生労働省は低所得高齢者の負担が急に増えないように経過措置を設けて段階的に廃止すべきだと主張しているが、財務省は原則通り一度に廃止すべきだとし、政府内で意見が分かれている。
特例には、年間計811億円の国費(2014年度予算ベース)を投じている。特例を廃止すると、例えば年金年収が80万円以下と最も所得の低い層で保険料が現行の9割軽減による月370円から、制度上の7割軽減による月1,120円となる。
子どもなど会社勤めの家族に養われ、74歳までは自ら保険料を払ってこなかった人への軽減も縮小する。現行の特例では75歳以降無期限に9割軽減するのを、75歳になってから2年限りの7割軽減という原則に戻る。
特例は2008年度から続いている。同年度に施行した75歳以上の高齢者医療制度において保険料軽減を設けたが、さらに負担を軽くすべきだと歴代政権が判断。毎年予算を組んできた経緯がある。(日経新聞等より)
会社勤めをしていた場合の年金額では、この軽減処置の恩恵を受ける人は少ないが、年金額の少ない国民年金の人たちにとってはこの処置が無くなるのは痛手となるだろう。生活保護費を恥としている年寄りも居ているので、年金と生活保護費のあり方をもう一度見直すべきだと思う。
国会議員や官僚は、選挙都合で小手先で延ばすのではなく、約束した議員定数の削減など、大局に立って物事を進めて欲しいものだ。