興銀リース(IBJリーシング)は、フィリピンで事業展開する合弁会社に関して、出資比率を現行の10%から25%に引き上げると発表した。来年1月をめどに株式を追加取得する予定。同社は日本企業のフィリピンへの進出が今後も増え、リース需要が高まるとみており、出資比率を引き上げることで、トップクラスを誇る日系マーケットのシェアをさらに拡大する考えだ。
フィリピンの商業銀行大手フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)との合弁会社、ジャパン―PNBリーシング・アンド・ファイナンス(JPNB)への出資比率を25%に引上げ、持ち分法適用会社とする。JPNBの資本金は1億5,000万ペソ(約3億9,200万円)。来年1月をめどに株式を追加取得するとともに、商号も当局の認可が下り次第、JPNBから「PNB―IBJLリーシング・アンド・ファイナンス」に変更する予定だ。
興銀リースは、今回の出資比率引き上げに関して、フィリピンでは自動車や電子機器分野などで日系大手メーカーとの現地取引を目指すサプライヤー企業の進出が今後も見込まれることに言及。さらに、国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費を狙って、小売業の進出数も増加し、リース需要の拡大が期待できることを背景に挙げた。
同社の担当者は、「フィリピンの(リースや割賦などの積み上げ分を示す)営業資産残高は足元で2桁以上の伸びを続けている」とコメント。フィリピンにおける日系マーケットのシェアは現時点でトップクラスで、今後も拡大させる考えを示した。
JPNBは1998年1月にマニラ市に設立。2008年8月にはセブ市に国内初の支店を設置した。2011年にはPNBが興銀リースとみずほコーポレート銀行(当時)からそれぞれ25%、5%の株式を取得。PNBが90%の株式を保有していた。
興銀リースの2013年度決算によると、連結純利益は105億円で、営業資産残高は1兆3,430億円。同社は今年5月に発表した「第4次中期経営計画」で、リース・割賦・金融事業の拡充や海外事業の強化・拡大などを基本戦略として掲げており、2016年度に純利益を120億円、営業資産残高を1兆5,000億円まで引き上げる方針を示している。
また、他の日系では、総合リース会社の東京センチュリーリース(東京都千代田区)が今年9月に、アヤラ系フィリピン・アイランズ銀行(BPI)から完全子会社BPIリーシングの発行済み株式49%を約40億円で取得すると発表。残り51%を保有するBPIとの合弁会社とし、社長を派遣する考えを明らかにしている。
その国に製造業企業が進出すると、その関連会社も進出と進んで行けば、設備関連等が後に続き、リース業も進出するということでしょうね。
フィリピンはインフラ等の遅れで、進出速度は他のアセアン諸国と比べれば早くは無いが、確実に増えて来ている。
人口も1億人を突破して、労働力や消費市場としても魅力が出て来ているようだ。