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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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関西空港、ようやく低迷脱出?

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 大阪湾泉州沖に浮かぶ関西国際空港(関空)。日本航空(JAL)系の格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは、同社初の国際線となる関空~香港線を2015228日から就航すると発表した。関空にとって1994年の開港から今年は20周年という節目。開港当初から国内・国際線ともになかなか路線が定着せずに旅客数が伸び悩む時期が長く続いたが、LCCという武器を得た関空は今、かつてない活況にある。

 法務省入国管理局によると、201410月に海外から関空に到着し、日本へ入国した外国人者数は30万2,954(速報値)1年前から約10万人のプラス、1.5倍に拡大した。これだけでも驚きだが、実は3年前の201110月と比べれば約17万人増と2.4倍に激増している。
 
 関空は就航当初、24時間運用が可能な国際空港として国内線と国際線を乗り継ぐ「ハブ空港」としての役割が期待されていたが、国内線で大阪・伊丹空港からのシフトは限られ、国際線は2001年の米国同時多発テロや2008年のリーマンショックなどのイベントリスクに見舞われ、伸び悩んでいた。
 
 低迷していた関空が浮上のきっかけをつかんだのは、20123月に全日本空輸(ANA)系のLCC、ピーチ・アビエーションが就航したことだ。多くの専門家が「失敗する」と酷評していた事前予想を覆し、安い運賃とそれを支えるコスト構造などを武器に高い搭乗率を確保。関空に新たな旅客を多数呼び込んだ。2014年春にはパイロット不足問題が浮上したことは記憶に新しいが、20143月期は開業2年で早くも営業黒字化を果たした。ジェットスター・ジャパンや同じくANA系のバニラエア(旧エアアジア・ジャパン)などの“和製LCC”の中で独り勝ちだ。
 
 ピーチの快進撃に呼応するように関空にはLCCブームが到来。今では、韓国系が3社(チェジュ航空、エアプサン、イースター航空)、中国の春秋航空、香港エクスプレス、フィリピンのセブ・パシフィック航空、マレーシアのエアアジアX、タイのタイ・エアアジアX、シンガポールのジェットスター・アジア、オーストラリアのジェットスターなど、国際線だけでも11社のLCCが就航。ジェットスター・ジャパンの香港線就航で12社となる。
 
 一方、関空には好調の裏返しで大きな課題も浮上している。それは週末を中心とした周辺のホテル不足だ。特にLCCを利用するような客層が使いやすい、リーズナブルなビジネスホテルをりんくうタウンなど関空対岸エリアで探すのは至難の業であり、週末は値段に関わらず部屋自体が空いていないという状況が続いている。
 
 そもそも大阪ではインターコンチネンタルホテル大阪や大阪マリオット都ホテルなどのオープンがあったものの、この3年間の新規オープンホテル数は限られる。にもかかわらず、LCCの手軽さや円安などを背景にした外国人観光客の増加に加えて、東京ディズニーリゾートと並ぶ巨大テーマパーク「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」に新アトラクション「ハリーポッター」ブームが到来。日本人観光客も増加しており、ホテル不足は慢性的だ。大阪市内や京都市内で宿を確保取れなかった旅客が、関空周辺ホテルまで宿を求めて移動する事態にもなっている。
 
 つい最近、ある旅客が体験したケースでは「大阪市内でホテルが手配できず、大阪府内や京都府内は全滅。神戸や関空、和歌山周辺も駄目だった。予約できたのは滋賀県や三重県方面のホテルだった」という。大阪から半径50㎞以内で、週末にホテルを押さえるのは相当困難な状態のようだ。
 
 空港周辺のホテルが全く空いていない、もしくは空いていても高額な宿泊料金を強いられるのは、世界の主要空港では珍しいケースだ。日本政府は2020年に訪日外国人客を2,000万人と、2013年から倍増させる目標を掲げている。今後、官民で外国人観光客の呼び込みが一層進む中、関空周辺のホテル不足がより深刻化するのは目に見えている。
 
 そうなると最も影響を受けるのが、関西空港から海外へ出かける為に前泊・後泊をする日本人旅客だろう。もちろん、LCC利用者だけでなく、大手航空会社便で海外へ出かける際の前泊や後泊で利用している岡山や広島、四国、北陸などからの日本人海外旅行客の需要もある。
 
 成田空港でも多く見られている傾向であるが、LCC早朝便利用者には前泊需要がある。日本でLCCが就航した当初は「LCCを利用する旅客は空港の周辺ホテルには前泊しないだろう」と言われていたが、実際に成田周辺のホテルはLCCの早朝便利用者の前泊を中心に宿泊客が増え、実際にホテルの稼働率を大きく上げた。LCCの航空運賃とホテル代を合わせて1万円で収まるのであれば、前泊をしてでも早朝便を使う人が多くいることが実証されている。
 
 喫緊の課題は228日に就航するジェットスター・ジャパンの関空~香港線の利用客への対応。329日以降、香港からの到着便が深夜2時となり、空港内で宿泊できる場所の整備が不可欠。ただ関空はバジェットホテルとも呼ばれる簡易宿泊施設を含む宿泊施設については検討しているようだが、当面の間、関空内で新しいホテルが具体的にオープンする予定はない。
 
 関空内にはシティホテルランクのホテル日航関西空港があるが、それ以外に空港内にカプセルホテル型の簡易宿泊施設(羽田空港では「ファーストキャビン」、成田空港では「ナインアワーズ」)やビジネスホテルの整備が急務だろう。
 
 そうでないと、いよいよ空港内のベンチで朝まで過ごす(関空は希望者に無料で毛布を提供してもらえる)という選択肢しかなくなってしまう。野宿客が溢れかえってしまうかもしれない。さらに最悪のケースは、せっかく飛行機の便数が充実して航空券が安くなったのに、宿が取れないから旅行に出かけるのを止めてしまうという消費者行動だ。
 
 新関西国際空港会社でも簡易宿泊施設を検討していたものの、関空と伊丹空港を運営する新関西国際空港会社が、今年725日に運営権を民間に売却する方針を発表。大型投資で慎重になっている可能性が高い。
 
 関空・伊丹の両空港における滑走路及び空港ターミナルなどといった資産はこれまで通り新関西国際空港会社が所有し、公募によって選定された企業連合(コンソーシアム)が空港運営を担うことになる。2016年から運営権が移行される予定で現在、参加資格審査段階にあり、運営権の争奪戦がスタートしたばかりで簡易宿泊施設の計画は事実上動いていないと思われる。
 
 20156月に1つの企業連合に優先交渉権を与えられることになるが、優先交渉権を得た企業連合にはホテルも含めた新しい関空の姿をぜひ構築してもらいたいものだ。(東洋経済等より)





 関空ができた頃は、「大阪の南の田舎である泉州、それも沖合で遠い」と非難轟轟で、私もその一人である。20年も経ったので諦めているが、今でも遠いと思う。

 国内線も関西を山越えする伊丹~羽田だと1時間だが、海上ルートを通る関空~羽田だと1時間半掛かる。空港に降りてからも大阪の中心地までも時間が違う。

 関空の対岸にある1本の細長いビル(りんくうタワーゲートビル)は、スターゲイトホテル(当時、全日空ホテル)が入っている。当初の計画ではもう1本建ててゲートになる予定が、あまりにも関空が不評で頓挫してしまった。関空の状況がこれからも期待されるなら、空き地があるので開発はできるだろう。












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