世界保健機関(WHO)は、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱の死者が10月8日までの集計で4,033人にのぼったと発表した。
特にリベリアで増加に歯止めがかからず、全体では1カ月強で倍増した。感染者数は疑いのある人も含め8,399人。米国やスペインでも感染者や死者が出たのを受け、先進国にも不安が広がっている。
今回の集計からアフリカ5カ国に、米国の死者1人、スペインの感染者1人を追加した。スペインでは患者が治療を受けている病院をラホイ首相が訪問。同首相は感染防止のために特別対策委員会を設置した。
日本や滞在するフィリピンも、エボラ熱による感染者はいないが、感染力が強く死に至る病気でもあり、世界的に不安が広がっているようだ。早急にエボラ熱に対処できる薬の開発が望まれている。
その一つに、富士フイルムのグループ会社である富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」が、エボラ出血熱の患者にフランスの病院で投与されていたが、治療を受けていた西アフリカのリベリアで医療活動に従事していたフランス人女性看護師は、治癒して病院を退院したとのこと。
これにより、フランスの医療チームは、11月にも西アフリカのギニアで、アビガンの投与を実験的に開始する方針。フランス国立保健医療研究所の担当者は「大量生産ができる態勢で副作用への懸念が少ないこと」などをアビガンの利点に挙げている。