フィリピンで、コンビニエンス・ストアの普及が本格化しつつある。現在は業界首位のセブンイレブンを、マーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、ファミリーマートが昨年進出、ローソンも2014年に1号店オープンの予定と発表した。
このような状況下において、業界トップのセブンイレブンが急ピッチで店舗網を拡充させていることが目立つ。後続コンビニも追撃を図ろうとしているが、セブンイレブンの動きが早く、現時点では店舗数の差が拡大傾向にある。
フィリピンのセブン・イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.56%を所有(2014年3月末現在)するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。 PSCは1982年11月に設立され、同年12月に米国テキサス州ダラスのサウスランド社(その後セブン・イレブン社に社名変更)からフィリピンでのセブン・イレブン運営ライセンスを獲得。1998年2月4日に、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売 業界規制緩和を契機に下表のように出店ピッチが速まった。そして2013年年末には前年末比180店増、率にして22%増の1,009店となり、1千店の 大台を突破した。
PSCアニュアル・レ ポートによると、2013年末のフィリピンのブランドコンビニエンス・ストアの総店舗数は前年末比19%増の2,172店。シェアはセブンイレブン 46%、ミニストップ18%、マーキュリー31%、サンミゲル・フードショップ2%となっている。
そして昨年4月にはファミリーマートも進出、急ピッチ で店舗網を拡充しつつある。将来はシェア30%を目指すとも表明している。サークルKも出店したとのことである。
今年8月末のフィリピンでのセブンイレブン店舗数は1,150店、ミニストップは423店(7月末)、ファミリーマートは55店となっている。今後は、ローソンも進出、フィリピンのコンビニエンス・ストア店舗数拡大に拍車がかかりそうである(フィリピン・セブンのウエブサイト等より)
セブンイレブンは、バコロド市やその近郊にも出店を増やしている。そして、ナマヨむすび、チキン照り焼きむすび、カリフォルニア巻きなど日本の米食系スナックの販売も開始するようだし、楽しみも増えそうだ。
ファミリーマートは55店舗だが、年末までに首都圏を中心に出店を加速し、100店舗体制の構築を目指すようだ。2017年度に500店、23年度に1,500店を目指し、FC店舗の比率を5割強に引き上げたい考えのようだ。ファミリーマートは、日本食メニューや日本から輸入した菓子などの商品、サービスの質を武器に『ワンランク上のコンビニエンスストア』として同業他社との差別化を図るとしているので、バコロドで店舗が出来れば日本食メニューも期待したい。