フィリピンは今後、活発な政府支出などが経済を牽引し、成長加速にともなってインフラ投資が急増する見通しだ。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは5月末に東南アジア諸国連合(ASEAN)のインフラ投資に関する報告書を公開。この中でフィリピンのインフラ投資が国内総生産(GDP)に占める割合は、現在の2%から2020年までに4~5%に拡大する可能性があると予想した。13~20年の投資総額は1100億ドル(約10兆7530億円)に達する見込みだという。
投資対象の内訳は電力事業が最大で460億ドル、以下、道路事業240億ドル、鉄道事業230億ドル、港湾事業80億ドル、水道・衛生事業60億ドル、空港事業20億ドルなど。
同社のエコノミストは、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシアの4カ国を比較し、「フィリピンは国民1人当たりの所得が最下位で、インフラの整備状況も最も遅れている」として、発展の余地が最も大きいと指摘した。今後は所得上昇と都市化の進行とともにインフラ整備の需要も必然的に高まるとの見解だ。
また同エコノミストは、ベニグノ・アキノ大統領の支持率が70%と高いことを指摘、同大統領が残りの任期3年間でインフラ整備を中心とした全国規模の大型計画を実行しやすい政治環境が整っていると分析した。
このほかに同報告書はASEAN各国の国民1人当たり所得が20年までに10年比で倍増すると予測。これにともなって各国で電力、道路、空港、水道などのインフラ需要が高まるとしている。13~20年の域内のインフラ投資総額は5500億ドルに達する見通しだ。(Sankei-Biz等より)
2013年から2020年までの8年間で1,100億ドル、約11兆円。フィリピンの国家予算が約2兆ペソ(4兆6千億円)なので、まだまだ膨大なインフラ投資が必要なようだ。