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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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LCCのエアアジア、多国展開曲がり角?

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 東南アジア格安航空会社(LCC)の雄、マレーシアのエアアジア・グループの拡大戦略が曲がり角に来ている。タイやインドネシア、日本などで国内便にも参入して基盤を広げてきたが、お膝元のマレーシアを除き、各地で激しい競争にさらされ苦戦する。進出予定のベトナムでも地元勢との激突は必至だ。今後は拠点拡大をいったん中断し、収益力を強化する方針に切り替える。

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 エアアジアが発表した2018年12月期決算。業績には苦境ぶりがくっきりと表れた。営業利益は前の期比44%減の12億800万リンギ(約330億円)。外国事業はタイが大幅減益となったほかは、すべての地域で赤字だった。
 
 他国では稼げず、マレーシアが主力の本体の利益に依存する構図だ。「2019年12月期もマレーシアが利益の稼ぎ頭になる」。ボー・リンガム副最高経営責任者(CEO)は同日語っている。

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 国外で共通するのは激しい競争だ。インドネシアにはライオン航空、フィリピンにはセブ・エアと、各国のナショナルフラッグ(国を代表する航空会社)をしのぐLCCの強豪が立ちはだかる。
 
 混雑が激しいマニラやジャカルタの空港では、外資系のエアアジアは便利な時間帯に発着枠を確保しづらい。2014年に地元財閥のタタ・グループと組んで参入したインドでも赤字が続く。

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 エアアジアは、アジアでLCCが黎明(れいめい)期だった2001年にマレーシアで創業。まず国内で急成長し、マレーシア航空を追い抜いた。タイやインドネシア、日本などで、現地企業との合弁会社を相次ぎ設立。多国展開するアジアLCCの先駆者となった。
 
 ただ、知名度で劣る国外では、座席をさばくために値下げを余儀なくされている。路線拡大などで売り上げは伸びる一方、客単価の低下で利益が削られている。2018年12月期は原油価格の上昇も重荷となった。
 
 新たに参入するベトナムでも厳しい戦いを余儀なくされそうだ。ベトナムでは現地の旅行大手ティエンミン・グループとの合弁会社で、今年の8月に運航を始める。同国初の民間航空でLCCのベトジェットエアと正面からぶつかる。ベトジェットは株式時価総額でエアアジアを上回った強敵で、米ボーイング社製の100機を購入すると発表するなど勢いづく。
 
 「ベトナムを最後に、しばらく新しい航空会社はつくらない」。トニー・フェルナンデス・グループCEOは、発表時の声明でこう宣言した。計画していた中国やミャンマー、カンボジアの進出を断念。今後は東南アジアの進出先と日中韓を結ぶ路線の拡充に専念する。
 
 しかし「低料金競争という構造的な問題」(マレーシアの証券アナリスト)は残ったままだ。今後の成長をどこに求めるのか。オーストラリアの航空シンクタンク、CAPAのピーター・ハービソン会長は「グループ各社の連携を深めれば強みが出る」と指摘する。
 
 その一端がデジタル分野だ。マレーシアではスマートフォンの予約アプリ用に、人工知能(AI)を活用した新機能を開発。今年1月末に各国でも導入した。航空券だけでなくホテルや保険など旅行全般のサービスを扱い、収入源の拡大をめざす。
 
 各国の法人が別々に担ってきた宅配サービスを含む航空貨物事業では、2018年に一括管理する専門会社を設立。広域的な路線網を最大限に活用する。価格競争を宿命付けられているLCC市場で、安さ以外の魅力を高められるかがカギを握る。(日経新聞等より)





 エアアジア・グループは、東南アジアだけでなく、世界的に見ても格安航空会社(LCC)の一方の雄だ。大きくなり過ぎた苦労もあるが、伸びる余地はまだまだあると思われる。より一層頑張って欲しいものだ。












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