フィリピンは、ドゥテルテ政権が原油探査の本格的な取り組みを始めている。ハイテク技術で世界最高レベルのイスラエル企業から技術協力を得る。フィリピンでは、石油・天然ガス・石炭の化石燃料の産出が極めて限られており、エネルギー資源のほとんどを輸入に依存しているのが現状だ。フィリピンがエネルギー資源産出国となれば、東南アジアの地政学が一変する可能性がある。
現地経済紙ビジネス・ワールドによると、フィリピン政府は、パラワン島東部スールー海域の調査について、イスラエル企業のレシオ・ペトロリアムと探査契約を正式に交わした。
イスラエルは2013年に東地中海沿岸部で天然ガス層が発見されて以来、天然ガスの輸出国となった。フィリピンの東部スールー海域は、東地中海沿岸部と似た海洋と地層があるもようだ。パラワン島もフィリピンの南西部にある島で、北西が南シナ海、南東がスールー海に面している。
マラカニヤン宮殿で行われた調印式では、ドゥテルテ大統領とアルフォンソ・クシ・エネルギー相、イスラエルからレシオ・ペトロリアムのイテイ・ラファエル・タビザダ社長兼最高経営責任者(CEO)が出席した。
原油探査が行われるパラワン島東部スールー海域は、2014年5月に政府が打ち出したエネルギー開発計画の「エリア4」海区で表面積が41万6,000ヘクタールに及ぶ。
クシ・エネルギー相は、今回の原油探査契約により、フィリピンとイスラエルの経済関係も深まるとしたうえで、「フィリピンは可能な限り早い時期に、エネルギー安全保障と持続可能な発展に取り組まなければならない。そのためにもフィリピンは独自のエネルギー資源の探査と開発を強化する必要がある」と強調した。
石油や天然ガスがある層を見つけるには、現に出ている地形の似た所を探せば良いとよく言われていた。現にカタールなども石油や天然ガスが出ている地域と地形が似ていることから探し当てたようだ。フィリピンも、これらに期待しているようだ。