トヨタ自動車(トヨタ)とダイハツ工業(ダイハツ)は、ダイハツのインドネシアの子会社アストラ・ダイハツ・モーター(ADM)で生産しているミニハッチバック車をフィリピンに輸出し、トヨタ・モーター・フィリピン(TMPC) より、トヨタブランドとして2月末より販売を開始する。輸出台数は月間500台と見込んでいる。
この小型車は、ダイハツが企画・開発したモデルであり、インドネシアではトヨタ「アギア(AGYA)」、ダイハツ「アイラ(AYLA)」として、2013年9月より生産・販売されている。「アギア(AGYA)」とは古代インドネシア語で 「Fast(速い)」の意味である。
2月3日インドネシアで行われた輸出式典で、ダイハツの金子達也副社長は「環境に優しく、求めやすいこの車は、フィリピンの顧客に満足頂けると確信している。また、インドネシア政府推奨のLCGC(Low Cost Green Car) 初の輸出であり、輸出促進を通じて、インドネシア自動車産業に貢献したいと思う」とコメントした。因みに、LCGCとは低価格で燃費が良い車の普及を促進する政策。認定車には、税制上の優遇措置が与えられる。
また、トヨタの福井弘之常務役員は「トヨタとダイハツは、インドネシアから完成車やエンジン等を80以上の国/地域に輸出しており、インドネシアを重要なグローバル生産供給拠点と位置付けている。2013年の完成車輸出台数は13万8,000台以上で、インドネシアからの完成車輸出全体の80%以上を占めている」と語った。
既報の通り。トヨタモーター・フィリピンズ(TMPC)は、「アギア」を、「Wigo」というブランド名にて、フィリピン市場に投入する。トップギア・フィリピン誌オンラインニュースによると、販売価格帯は1.0リットルEマニュアル車が44万8,000ペソ、同Gマニュアル車が49万9,000 ペソ、同Gオートマチック車が53万4,000ペソとのことである。(トヨタ自動車株式会社ニュースリリース等より)
昨年、フィリピン国内四輪車新車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比16%増の18万1,283台に達した。そしてCAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)など 自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業分を含む総販売台数は同14%増の21万台に達した。双方ともに2年連続での過去最高更新となっている。
フィリピン自動車業界におけるトヨタモーター・フィリピンズ(TMPC)の強さが際立っており、工業会加盟企業でのシェアは41.5%、総販売台数ベースでのシェアは35.7%で2位以下を大きく引き離している。レクサスを加えると、2013年のトヨタ車販売台数は7万5,587台に達するが、LCGCである「アギア」の投入で今以上の販売を見込んでいるようだ。
尚、アセアンの国別年間自動車生産台数(年間)は、タイが250万台(国内販売:130万台)、インドネシアが120万台(同:120万台)、マレーシアが60万台(同:65万台)、ベトナムが9万台(同:9万台)。フィリピンは8万台(同:21万台)ほどで、生産台数は少なく、自国の販売台数に遠く及ばない。