商船三井は、フィリピンのカビテ州で商船大学(4年制)を8月に開校する。今年の5月末に施設を完工し、正式な開学認可も取得した。同社初となる自営の大学で、高い水準の船員を継続的に育成し、長期的に顧客の信頼を高めて競争力強化につなげる。
カビテ州ダスマリニャス市サリトランに開設する「MOLマグサイサイ・マリタイム・アカデミー」は、1学年最大300人の全寮制大学。敷地面積は13.2ヘクタールで、建物の延べ床面積は約3万平方メートル。地場の船員派遣会社マグサイサイ・マリタイムとの折半出資で運営する。卒業生は、商船三井とマグサイサイが半々で雇用する計画だ。
商船三井はフィリピンで20年以上にわたり船員育成に携わってきた。商船三井の広報担当者は、「当社の運航船に乗る配乗船員(同社が直接手配している船員)のうち、3分の2(1万3,000人)をフィリピン人が占める。運航技術が高度化する中、安全運航に向けて、船員の確保・育成の強化を進めていく」とコメントした。
商船三井は1993年にマグサイサイと共同で船員の訓練施設を設立。2011年から、提携する地場商船大学の3、4年生に対して訓練航海や実習を行うようになり、これまで700人以上の船員を輩出してきた。(NNA等より)
この学校の施設はすでに完工し、最大の特長である訓練施設「シップ イン キャンパス」は、外観だけでなく、実習設備の配置も可能な限り卒業後に乗船する実船に近づけることで、即戦力養成につながるトレーニングを行える実習棟とのこと。
フィリピン人船員は商船三井運航船乗組員の中核を担っており、フィリピンに自営商船大学を設立することで安定的に良質な船員の育成を図り、経営計画「ローリングプラン2018」における強化項目である「海技力」をより向上させ「世界最高水準の安全運航」の実現を目指すとしている。
バコロドにも地場の商船大学があるが、それ以上に船員をしている人の話をよく聞くようになって来た。日本人船員は少なくなって、その交代を含め、フィリピン人船員が世界的に多くなって来ている。