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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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全日空、フィリピン航空へ出資の可能性

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 多角化を推進してきたサンミゲルは2012年に、100%子会社であるサンミゲル・エクイティー・インベストメントを通じて、フィリピン航空(PAL)に資本参加した。その結果、現在のPALの出資比率は、フィリピン第2位の富豪であるルシオ・タン氏グループが51%、サンミゲル・グループ49%となっている。そして、サンミゲルのラモン・アン社長がPALの社長も兼任している。
 
 PALは近年、労働問題、コスト増、格安航空会社セブ・パシフィック航空(CEB)などの台頭などにより、経営不振を余儀なくされてきた。しかし、サンミゲルの資本参加などによる経営立て直しに着手、今後は、輸送能力増強、機体新鋭化による競争力強化を目指すとの方針を打ち出し、実際に新鋭機大量発注などを行っている。
 
 一方、ルシオ・タン氏グループも、事業や組織の大規模な再構築を行ってきている。2012年に傘下の洋酒企業タンドゥアイ・ホールディングス(タンドゥアイ)の授権資本の5倍増額、社名のLTグループ社(LTG)への変更を行い、主目的を洋酒醸造関連持株会社からルシオ・タン氏の事業統括持株会社へと変更した。即ち、洋酒関連企業とルシオ・タン氏資産管理会社がLTGへと変身したのである。
 
 LTGは、ビールのアジア・ブリュワリー、洋酒のタンドゥアイ、煙草のフォーチュン・タバコ、不動産のイートン・プロパティー、商業銀行フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)など、ルシオ・タン氏傘下の多くの企業を統括する。しかし、PALについては、LTGに組み入れず、消費者関連事業に集中すると表明している。そして、PALやその持株会社PALホールディングスの株式売却を売却を真剣に検討しているとも正式表明している。
 
 78日付けフィリピン・インクワイアラー紙電子版によると、このような動きの中、サンミゲルは、「全日空(ANA)など海外有力航空会社がPALへの資本参加の関心を表明した」とコメントした。そして、PAL経営における新たなパートナー候補として、全日空(ANA)のほかドバイのエミレーツ航空などをピックアップした。既に、ANAとは出資交渉中であり、エミレーツ航空とは予備的交渉を終えた段階であるとのことである。
 
 サンミゲルは、ビール事業においてキリン・ホールディングスと、パッケージ事業において日本山村硝子と資本・業務提携している。航空事業においても、日本企業と提携する可能性が出てきたとも言えるようだ。
 
 
 
 
 少し前までは、サンミゲル・グループが株式51%を追加取得して、フィリピン航空を買収して100%子会社にする方向に動くと報じられていたが、このままでは、将来の展望を開くには力不足と判断して、外国の航空会社をパートナーとして引き入れたいようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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