厚生労働省は今年の6月28日に、2016年の厚生年金の平均月額受給額を年齢層別でまとめ、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の部会で公表した。最も多かった85歳~89歳は17万959円で、65歳~69歳の15万118円とは、2万円の開きがあった。
金額は、加入期間が25年以上ある厚生年金受給権者の平均値を、国民年金(基礎年金)を含めて計算したもの。年齢が下がるに従って、平均年金月額が下がっているのがわかる。
厚生年金は加入期間や報酬によって、支給される金額が違う。女性の場合は、年金の加入期間が少ない人が多いため、平均が下がっている。
①60歳〜64歳の金額が少ないのはなぜ?
かつては厚生年金は60歳から支給されてきたが、1985年の法律改正により、支給年齢が引き上げられた。引き上げは生まれ年を考慮して段階的に行われており、年齢によって受給額が少なくなっていることが平均額を下げている。
②年齢が上がるにしたがって、受給額が上がるのはなぜ?
法律改正された際、年金制度が新しくなった1985年4月1日の時点で何歳であったかで、年金額の計算の際に使われる係数(給付乗率)に違いができた。
この給付乗率の違いにより、2017年4月1日で71歳以上の人の年金は、70歳以下の人より多くなっている。
③90歳以上が少なくなっているのはなぜ?
90歳以上は、年金の加入期間が短い女性が多いことなどが影響したため、少なくなっている。
・実際に年金はいくらもらえているのか
「年金支給額は、国民年金が平均月額で5万5千円、厚生年金は14万7千円」という実績が公開されています。これは、厚生労働省が2017年3月に発表した「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」という報告書によるものです。
・国民年金の平均月額は「55,244円」
今回の報告書でわかった国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は、月額で「55,244円」でした。国民年金の制度上の支給額は、年に779,300円、月額に直すと「64,941円」です。ただし、これは40年間保険料を支払った場合の満額で、実際に、この金額をもらっている人は少ないことがわかります。
ちなみに、60歳で繰上げ支給を受けると満額でも月に「45,459円」ですが、実際の支給額は「38,967円」となっています。繰上げ支給で3割減となるうえに、満額でないため4万円を切ってしまいます。
・厚生年金の平均月額は「147,872円」
今回の調査では、厚生年金の月額の平均支給額は「147,872円」でした。また、厚生年金は加入期間や報酬によって、支給される金額に差があります。そのため、男女差が大きく、平均月額は男性が「166,120円」、女性が「102,131円」となっています。なお、厚生年金については、厚労省では夫婦二人のモデルの想定支給額を公開しています。これは、40年間サラリーマンとして働いた夫と、専業主婦の組み合わせが想定されています。
つまり、厚生年金が貰える男性と、国民年金だけの女性という組み合わせです。その金額は「221,277円」です。実際に支給されている年金額も、厚労省のモデルに近い金額になっています。
今回の平均月額から計算した、家族構成別の1月当たりの支給額をまとめてみましょう。繰り返しになりますが、厚生年金については個人差が大きいので、ざっくりした目安と考えてください。
・国民年金 単身者: 55,244円
・国民年金 夫 婦: 110,488円
・厚生年金 単身者: 145,305円
・厚生年金(夫)+国民年金(妻):221,364円
・厚生年金夫婦共稼ぎ:268,251円~290,610円(厚労省等より)
日本の年金制度は、年金制度が無かった頃からすれば良いと言わざるを得ないが、国民年金の支給額が低いのは問題ですね。自営業は定年制が無いので死ぬまで働けるからと納付額も少なかったのが一つの原因。最近では国民年金基金と言う年金の2階建の部分が設けてあるが、会社員のように会社負担分が無いだけに辛そうだ。少しでもならば、月400円の付加年金を納付するしか無い。また、高齢の単身者の生活保護者が増えているが、無理もないと思うようになった。
国民年金の40年納付で約78万円。つまり、78万円を480ヶ月で割ると1,625円、これに納めた月数を掛けると年金額が算出される。だから、月額55,244円は約408ヶ月納付したことになる。34年間も納めている計算になるので、年金額は少ないと思うのは私だけだろうか。
こうなれば、プライドを捨ててでも生活保護を受けるか、持ち家で慎ましく過ごすか、持ち家を売って海外でも行くしか無いのかも知れないですね。