三菱東京UFJ銀行は、資本・業務提携するフィリピンの商業銀行セキュリティー・バンク(SBC)との銀行間資金管理(IBFM)サービスを開始した。両行に口座を持つ企業は、三菱東京UFJ銀の口座に中核となる資金を置いたまま、SBCのインターネットバンキング・サービスを利用し、資金の過不足が生じると、二行間で自動的に残高調整できるようになる。
企業が、SBCの口座の目標残高を設定し、残高を超えたり、下回ったりすると、三菱東京UFJ銀の口座との間で資金が自動的に移動する。資金移動の手間が省けるほか、移動ごとに手数料が発生しないメリットがある。
SBCは、ネットバンキングに強みを持つ。IBFMを利用すれば、SBCが提供する売掛金管理システムのサービスで、回収資金が目標残高を超えて積み上がると、三菱東京UFJ銀の口座に移動。逆に、SBCが土日を含む24時間対応で提供する関税支払いサービスで、残高が不足する場合、自動的に三菱東京UFJ銀の口座から資金が移される。
三菱東京UFJ銀にとっては、SBCが構築した高度なペソ建ての現金管理システムを活用し、顧客向けサービスを拡充できることが利点。三菱東京UFJ銀とSBCには、双方の強みを活かし、サービスを結びつけることで、日系顧客企業が持つ商流全体を取り込む狙いもある。
三菱東京UFJ銀行マニラ支店の担当者は、「業務提携を結ぶ両行ならではのサービス。当行にある中核資金の配置を変えずに、SBCが開発した先進的なサービスを利用したいという要望に応えられる」と話した。
三菱東京UFJ銀は、昨年4月にSBCの株式約20%を369億4,300万ペソ(現行レートで約845億円)で取得。同6月には共同開発商品の第1弾として、企業が三菱東京UFJ銀の法人口座から、従業員がSBCに持つ給与口座に手数料なしで給与振り込みが行えるサービスを開始するなど、日系企業向けのサービスを拡充している。(NNA等より)
海外に進出する場合、資金繰りは大事だ。地場行との付き合いがやり易いのは良いことなので、こう言うサービスは企業にとって有難いと思う。