Quantcast
Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2208

ジープニーを環境配慮型へ

$
0
0

 フィリピンは、派手な外装で知られる乗り合いタクシー「ジープニー」の旧型車両を環境配慮型の新車両と入れ替える。車両の老朽化が進んで大気汚染の原因と指摘されていることから運輸省が主導し、約20万台のジープニーを順次交換していく計画だ。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
 
 入れ替えの対象となるのは、製造から15年以上が経過した旧型車両だ。新型車両の規格は検討中だが、欧州連合(EU)で適用されている排ガス規制「ユーロ4」に準じたものになるとみられている。
 
 財務省はユーロ4の適用でジープニーの排ガスが低減できるほか、燃費性能が2倍に高まり、燃料コストの大幅削減につながるとしている。
 
 政府は2020年までに入れ替えを終える目標を掲げている。車両入れ替えにかかる費用は融資や補助金、新型車両関連の訓練費などを含めると、総額で4,200億ペソ(約9,408億円)に達するとの見方もある。
 
 同国投資委員会(BOI)の幹部は、「新型車両のコンセプトからデザインや仕様まで、決めなくてはならないことは多い」としたうえで、年内にこうした内容を取りまとめる方針を示した。車両の生産に関する新たな税制優遇措置を講じる可能性もあるという。
 
 また、陸上交通許認可規制委員会(LTFRB)は、車両の入れ替えに伴い、運転手の待遇改善にも乗り出すとしている。LTFRBの幹部は、現在の歩合制に代わり新たに固定給制の導入を検討中だと明かした。過剰な競争や違法な料金請求を抑止することで、サービス改善にもつながるとの考えだ。
 
 さらに、電気自動車(EV)の業界団体が20万台の1割に当たる2万台の製造に意欲を表明するといった動きもみられる。フィリピン名物ともされるジープニーの近代化がどのような形で進んでいくのか。今後の展開が注目される。(Sankei-Biz等より)





 ジープニーは第2次世界大戦(World War II)終結後、米軍が残していったジープ型車両を参考にし、屋根を取り付けたりベンチ形の座席を並列に設置したりと、フィリピン人が独自に改良を加えて開発された。乗客20人以上を一度に運べるジープニーは通勤の足としてもよく使われている。安価なディーゼル燃料を使用し、排ガスが多いことから悪名高い市内の大気汚染の元凶ともいわれている。ジープニー運転手の多くが交通規則を守らないという批判も多い。政府の近代化計画により2020年までに車齢15年以上のジープニーは、より環境に優しい車に置き換えられることになっている。

 一方、ジープニーの電動化事業について、フィリピンとスペインの実業家が運営するQEVフィリピンは、既存の約5万台を電動ジプニー(eジプニー)に置き換える計画を政府に提案した。これは新たにeジプニーを購入するよりも改造する方が経済的と指摘した上で、運営コストなども抑えることが可能になる、とメリットを強調している。

 日本企業もそうだが韓国企業も、フィリピンでのEV組み立てや部品の製造事業に関心を示しているという。安価で環境保護になるeジープニーになるための健全な競争をして欲しいものだ












Viewing all articles
Browse latest Browse all 2208

Trending Articles