フィリピン自動車工業会（ＣＡＭＰＩ）と自動車輸入・流通業者連合（ＡＶＩＤ）の2016年の販売統計が出そろった。合算した2016年の新車販売台数は、前年比２５％増の４０万３，６８８台となり、伸び率は前年の２０％から加速。2015年に初めて３０万の大台を突破してから、１年で４０万台に達した。
ＡＶＩＤはこのほど、加盟１０社による2016年の輸入車販売台数が前年比６０％増の９万３，１７９台だったと発表した。米系フォード・モーター・フィリピンは2015年５月、スズキ・フィリピンは同年７月にそれぞれ加盟したため、それ以前の販売台数が計上されておらず、2016年の伸び率は実際よりも高いが、現地生産メーカーを中心に構成されるＣＡＭＰＩの２５％を大幅に上回った。
ＡＶＩＤの車種別の販売台数内訳は、乗用車が３万５，７７０台、ミニバンやスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）を含む小型商用車（ＬＣＶ）が５万７，４０９台で、ともに６０％増となった。
ＡＶＩＤ加盟メーカーでは、韓国の現代自動車の販売代理店、現代アジア・リソーシズ（ＨＡＲＩ）が５３％増の３万３，６９５台で最大。フォード・モーター・フィリピンが３３％増（ＣＡＭＰＩ発表より）の３万３，６８８台、スズキ・フィリピンが３７％増（同）の１万４，３５３台、米ＧＭ傘下のシボレー・ブランドの販売代理店コベナント・カーが２０％減の５，９３１台、スバルの販売代理店モーター・イメージ・ピリピナスが４％減の３，０５７台で続いた。ＨＡＲＩは乗用車、ＬＣＶともに５割以上伸び、フォードはＬＣＶが成長をけん引した。
ＣＡＭＰＩとトラック製造業者協会（ＴＭＡ）が先に発表した2016年の新車販売台数は、前年比２５％増の３５万９，５７２台。ＡＶＩＤを含む市場全体では、トヨタ・モーター・フィリピン（ＴＭＰ）が、前年比２７％増の１５万８，７２８台でメーカー別首位となった。２位は三菱モーターズ・フィリピンズ（ＭＭＰＣ）で、１４％増の６万１，４００台。２位までの順位は前年と同じだが、ＨＡＲＩがフォード（前年3位）といすゞ（同4位）を抜き、前年の５位から３位に上昇した。韓国からの完成車の輸入関税率が、2016年から５％に引き下げられたことが追い風となったもようだ。
ＡＶＩＤとＣＡＭＰＩの統計は、フォードとスズキのほか、独メルセデス・ベンツや米クライスラーなどを販売するオート・ネーション・グループのうちメルセデス・ベンツの販売台数が重複している。また、ＣＡＭＰＩの2016年統計には、その他ブランドが前年比７８％増の７２４台と計上されており、ＡＶＩＤ加盟メーカーと一部重複している可能性がある。
ＡＶＩＤによると、加盟１０社の2016年第４四半期（10～12月）の販売台数は、前年同期比２６％増の２万４，４３４台だった。乗用車が４０％増の９，３４１台、ＬＣＶが１９％増の１万５，０９３台だった。
メーカー別では、フォードが５％増の８，６９５台で最大。ＨＡＲＩが６２％増の８，６７４台、スズキが３７％増の４，０３０台で続いた。（NNA等より）
フィリピンでの所得上昇による購買層の拡大に加え、各社による新型モデルの投入と積極的なプロモーションが奏功したようだ。。
日本メーカー別では、首位のトヨタ・モーター・フィリピン（ＴＭＰ）が、１５万８，７２８台で、シェアは４４．１％で、乗用車、アジア・ユーティリティー・ビークル（ＡＵＶ）、ミニバンやスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）を含む小型商用車（ＬＣＶ）の３部門で首位だった。ＴＭＰは、2020年までに年間２０万台の販売目標を掲げており、生産・販売体制を強化する。
２位の三菱モーターズ・フィリピンズ（ＭＭＰＣ）は６万１，４００台で、シェアは１７．１％だった。2017年は2016年比２割増の７万４，０００台の販売を目指す。
このほか、いすゞ・フィリピンズ（シェア7.6％）が２万７，３６１台、ホンダ・カーズ・フィリピン（6.5％）が２万３，１９９台、フィリピン日産（4.7％）が１万６，８９７台、スズキ・フィリピン（3.6％）が１万４，３５３台、日野モータース・フィリピン（0.8％）を含めて、日系各社は軒並み前年より２桁の伸びだった。
フィリピンの企業も好調を維持している会社で、成績の良い人に対して乗用車を褒賞の一つとしている会社もある。マニラにいる知人の1人は、３年間に２台の車を貰った。