フィリピンの首都マニラ郊外で、新空港の建設計画が動き出す。同国小売り最大手のSMグループが計画への参加を表明した。年間1億人の乗客処理能力を持つ空港を中心に港や道路、鉄道を建設する。総工費は200億~500億ドル(約2兆2千億~5兆5千億円)を見込む。
同計画は「フィリピン・グローバル・ゲートウェイ・プロジェクト」と名付けられており、マニラの南、約35キロメートルにあるカビテ州サングレーポイントの2,500ヘクタールに及ぶ土地を開発する。
SMインベストメンツを保有するシー家傘下のレジャー企業、ベル・コーポレーションが同プロジェクトに関して全アジア資源開発コーポレーション(ARRC)とコンソーシアムを組む株主協定に調印した。
ARRCによれば、8月に事業計画を内閣に提出済みで、フィリピン国家経済開発庁が検討中だという。同社のウィルソン・ティエング社長によると、ドゥテルテ比大統領が北京を訪問した際に中国交通建設もコンソーシアムへの参加を約束した。株主構成は公表されていない。
ドゥテルテ大統領は10項目の経済課題を取りまとめ、インフラ整備を優先課題に位置づけている。既存のニノイ・アキノ国際空港は老朽化し、慢性的な混雑状態が続いている。同空港の乗客処理能力は3,500万人だが、昨年は約3,700万人を受け入れた。
こうした状況を受けて、現地複合企業サンミゲルもマニラ湾の造成地に100億ドルを投じて空港を建設する計画を提案している。ARRCのプロジェクトは同計画と競合しており、実現には曲折も予想される。(日経新聞等より)
マニラ首都圏へのアクセスを考えれば、サンミゲルの計画する案の方が良いと思うが、マニラを経由地として利用する者に取っては、場所よりも乗継便への利便性が大切なので、何とも言えないですね。