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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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全日空、B787の誤算再び!

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 全日本空輸(ANA)が、米ボーイングの中大型機「B787」で再び苦しんでいる。英ロールス・ロイス社製エンジンの部品に不具合が発覚、集中改修のため国内線の一部を長期欠航する事態に陥った。同社は欠航数を抑えるべく9月以降のダイヤ改造を急いでいるが、楽観できない。バッテリー発煙問題から3年が経過、なぜまたB787は地をはっているのか。
 
 8月25日、全日空は国内線で使用しているB787の運航を当面停止すると発表した。エンジンの一部である「中圧タービンブレード」が想定よりも短期間で劣化し破断することが分かったためだ。
 
 リース会社を含め約60社がB787を採用する中、全日空だけ問題が拡大しているのには理由がある。同社はB787を最初に受け取った「ローンチカスタマー」だ。機内設備などの仕様に注文を付けられる一方、真っ先に不具合に直面するリスクがある。
 
 2013年1月には同じく、早くからB787を導入した日本航空の機体を皮切りにバッテリーの発煙が相次ぎ、数カ月の運航停止を余儀なくされた。その日本航空で今回同様の不具合が生じていないのは、搭載するエンジンが違うからだ。
 
 B787では購入の際にエンジンを選べ、全日空はロールス社製の「トレント1000」、日本航空は米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の「GEnx」を選んだ。ロールス社製エンジンを使う航空会社は他にもあるが、全日空が長期間、多頻度で使用してきたため不具合が早く顕在化したとみられている。
 
 航空事業を機械産業の柱の一つに据える日本にとって、ロールス社のエンジン不調は対岸の火事ではない。
 
 素材と構造が高度化している航空機エンジンは国際共同開発するケースが多い。ロールス社のエンジンでは川崎重工業が「中圧圧縮機」を生産、三菱重工業子会社も「低圧タービンブレード」などを手がけている。
 
 両社の部品は今回の不具合と直接関係ないが、エンジンに対する信頼が揺らげばロールス社のエンジンの受注が低迷し、回り回って部品を手がける日本企業に影響を及ぼす懸念もある。

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 旅客への影響の大きい9月以降のダイヤ改造も依然、不透明だ。全日空の国内線145機のうちB787は13機で、羽田~伊丹などの基幹路線を飛ぶ。全日空は当初「少なくとも9月末まで1日10便程度が欠航する」と見込んでいた。その後、予備機や他の機種の稼働率を高めることで、2731日の欠航数は合計9便と当初予想の5分の1に抑えることができた。
 
 ただ9月以降は一段と機材繰りが厳しくなる。そもそも航空機は機種ごとに操縦できるライセンスがあり、B787のパイロットは別の機種を操縦できない。一定のフライト時間や回数を超えて乗務できない決まりもある。
 
 さらに、「9月の谷」だ。夏休みで最需要期の8月は、もともと多くの機材を準備していたため代替機なども確保しやすかった。しかし、日本の航空会社は予約が減る9月は機材を休ませるのが常。B787以外の機種も通常整備に入れざるを得ない。台風など機材繰りを難しくする別の要因もあり、ダイヤ改造は容易ではない。(日経新聞等より)





 全日空はこの欠陥を今年3月ごろに把握し、改修を始めていたが、約5カ月間公表していなかった。「運航に影響が出るまで公表する考えはなかった。非常に多くのお客様にご迷惑をおかけし、申し訳ない」としている。
 
 全日空によると、この欠陥を受け、ロ社は同型のエンジンを使う全航空会社に改修を呼び掛けたという。国交省はロ社のエンジンを認証した欧州当局に対し、欠陥の原因調査や速やかな対策の実施を要請した。
 
 全日空によると、欠陥はエンジン内部で高速回転するタービンのブレード(羽根)の腐食を防ぐコーティングが不十分というもの。今年2月にマレーシア、3月にベトナムを離陸した機体はエンジン異常で引き返したが、大気中の汚染物質に含まれる成分に触れてブレードが腐食し、破断していた。
 
 全日空は飛行距離が長い国際線のみの部品交換を勧めたロ社の見解に従い、国際線で改修を進めていた。ところが8月20日、羽田発宮崎行きでも同じトラブルが起きたため、改修対象を国内線に広げたようだ。

 高い航空機のため、予備機は大きい会社だけ余裕があると思うが、その分路線も多く稼働率も高いし、機体整備にも時間が掛かり、日程が狂えばそんなに余裕は無い。航空機の運用も大変なようだ。












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