フィリピンの大手企業各社が、ミンダナオ地方ダバオ市で投資機会を模索している。ロドリゴ・ドゥテルテ市長が大統領に就任したことで、同市が政治の中心地として存在感を高めるとみられるためだ。
フィリピン航空(PAL)と地場格安航空会社(LCC)最大手セブ・パシフィック航空は、ダバオ線の増便を計画した。PALのハイメ・バウティスタ社長は「ダバオ市にハブ機能を持たせる計画がある」とコメント。セブ航空も声明で、「ダバオと地方都市を結ぶ路線の拡充を検討している」と明かした。
不動産各社も開発に力を入れる。最大手アヤラ・ランド(ALI)は過去6年で200億ペソ(約462億円)を投資したが、向こう2~3年で80億ペソを追加投入する。地場アルカンタラ・グループと合弁展開する複合地区「アズエラ・コーブ」の開発などを加速する。同業メガワールドもビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)向けオフィスビルを増設する計画だ。
小売りでもコンビニエンスストア・チェーンの「セブン―イレブン」を展開するフィリピン・セブン(PSC)が向こう3年で年50店を出店すると明らかにした。
このほか、コファンコ財閥のサンミゲル・コーポレーション(SMC)はダバオデルスール州で敷地面積2,000ヘクタールの工業団地を開発すると表明。玩具製造や造船業などを誘致する方針を示した。農業分野でもコーヒーなど高付加価値作物の栽培で事業機会を模索する動きが出ている。
フィリピンのミンダナオ島は紛争で、開発事業は停滞したが、豊かな大地でもあり、促進されればフィリピンにとっても良い結果が出て来ると思う。