ヤクルト本社が、2015年度(15年4月~16年3月)の連結決算を発表した。2015年度の連結売上高は前年度比6.1%増の3,904億円に達した。経常利益は同11%増の506億円、帰属純利益は同15.1%増の288億円と二桁増益となった。
アジアでの好調が堅調な業績の大きな要因となっている。アジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は同22.7%増の971億円、営業利益は同32.3%増の270億円と各々大幅増加した。営業利益率は27.8%で、前年度の25.8%から上昇した。ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。
特に、フィリピンでの販売好調が続いている。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピン(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969 年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
連結決算発表補足説明資料によると、2015年(1月~12月)の確定値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比14%増の213万9千本へと二桁増加した。
2015年のフィリピンの前年比14%増という伸び率は、世界で最大の伸びであった米国の16.1%増に次ぐ2番目の伸びであり、3位インドネシアの13.3%増、4位インドの12.4%増、5位マレーシアの11.9%増、6位中国の9.3%増などを上回っている。 伸び率1位の米国での一日当り販売数量は22万9千本に過ぎない。したがって、フィリピンが世界の主要市場で最大の伸び率であった。
また、2016年第1四半期(1月~3月)の速報値では、ヤクルト・フィリピンの一日当り販売数量は前年比9.4%増の230万9千本へと好調に推移している。この販売数量は、海外市場では、インドネシアの460万6千本、中国の427万5千本、メキシコの346万1千本、韓国の329万6千本に次ぐ世界第5位で、タイの213万6千本を上回っている。フィリピンのアジア・オセアニア市場でのシェアは12.3%、全海外市場でのシェアは9.1%に達している。ちなみに、アジア・オセアニア地域全体の一日当り販売数量は同5.7%増の1,876万6千本、海外全体では同4.3%増の2,523万7千本であった。
なお、ヤクルト・フィリピンの資本金は18億ペソ(約50億円)、2014年末の従業員数は1,000人、ヤクルト・レディーは2,737人、取引店は15万8,297店に達している。工場はカランバ市に立地、2014年末の生産能力は1日250万本。そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造されたヤクルトを1本約24円相当という低価格で提供してきている。(株式会社ヤクルト本社発表等より)
フィリピンの人口は1億人を超え、経済も好調であるので、今後も売上は伸びて行きそうです。ヤクルトの代わりになるものも見当たらないこともあり、好調な販売は続くようです。