ふと気がつくと、生卵を食べる機会がめっきり減っています。もちろんすき焼きにはつきものですが、すき焼きなんてなかなか口にできません。そのまんまの生卵やたまごかけごはん、昔はよく食べたものなのに……。なぜ食べなくなったのか、と思い返して行き着いたのは食中毒への警戒心です。生卵って危ないのでしょうか。
アンケートの結果、生卵を食べている人は3分の2に近かった。食べ方のトップは「たまごかけごはん」。安くて簡単で栄養価があっておいしい、と熱く支持する声が相次いだ。
「この世の最後に一番食べたいものは?と聞かれると、熱々ごはんにたまごがけ!と即座に答える」(福岡、66歳女性)、「手軽で栄養があって、絶対においしい。そんな食事ができる日本に生まれてよかった」(東京、49歳女性)、「炊きたての新米のたまごかけごはん。これを超えるものを知りません」(千葉、59歳男性)、「日本人のソウルフード。体にしっかり刷り込まれているように感じます」(鳥取、56歳女性)等々。
半面、苦手だという人も少なくない。神奈川の女性(44)は、「たまごかけごはんなんてありえない、気持ち悪い」と、嫌悪感までにじませる。食べない理由の1位は「食べる習慣がない」で、2位は「食中毒が怖い」。
実は生卵大好きという人の中にも、「サルモネラ菌が危ないなと思いながらも食べている」(兵庫、31歳女性)という声がちらりほらり。実際に生卵は危ないのだろうか。
生卵の真実を聞こうと、東京都健康安全研究センター(新宿区)を訪ねた。「サルモネラ・エンテリティディスの食中毒が増え始めたので、20年ほど前に国が基準を定めたんです」。説明してくれたのは食品医薬品情報担当課長の薩埵(さった)真二さん。このときに卵の期限表示などが定められた。この結果、「サルモネラによる食中毒は少なくなりました。例えば都の場合、基準ができる前の年は26件だったのが、以後は数件程度で推移しています」。
サルモネラ・エンテリティディスというのはサルモネラ菌の一種で、鶏卵の中に潜んでいることがある。食中毒の症状は、「腹痛、下痢、39度の発熱などです。かなりきつい」。厄介なことに汚染卵を完全に無くすことは難しく、「3千個に1個の割合で汚染されています」と薩たさんは言う。75度×1分間で菌は死ぬが、熱を加えたら生卵ではない。リスクを承知で食べるしかないのか。
「いや、殻の中にいる菌はすごく少なくて、数個程度です。これだと普通の人は食中毒にはなりません」
薩埵さんによると、エンテリティディスがいるのは主に卵の白身部分。白身には菌に対抗する酵素があるうえ、菌を増やす鉄分がない。つまりエンテリティディスが増える環境ではないのだが、「卵が古くなると黄身の鉄分が溶出してくるんです。卵を割ってかき混ぜても同じです」。
以上を踏まえ、薩埵さんのアドバイスは、「冷蔵保管」「期限を守る」「割ったらすぐ食べる」の3点を守ること。「そうすれば普通の人はまず大丈夫。ただし小さなお子さんやお年寄りは食べない方がいいと思います」
コメントには海外の事情に触れた意見も目立った。生卵を食べる習慣がなく、衛生管理も危ういという内容だ。
「海外から帰国し、たまごかけごはんを食べると、ほっとして力がわきます。生きる力の原点です」(愛知、64歳女性)と言う人もいる。
たまごかけごはんのことを書いていたら、猛烈にたまごかけごはんが食べたくなってきた。冷蔵庫を開け、卵の賞味期限を確認し、小鉢にぱかっと割ってしょうゆをかけてかき混ぜる。ごはんにすぐ載せ、ずずっとすする。うまい! 日本に生まれてよかった。(朝日新聞等より)
フィリピンでも生卵を食べる習慣が無いので、周りの人は驚くが、私はフィリピンでも偶に生卵を食べます。但し、信用のおける人に頼んでいる卵が入った時だけにしています。偶に食べると美味しいですよ。