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Channel: フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話
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東南アジアで拡大中の香りビジネス

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 東南アジアで購買力のある中間層の増加を背景に香料市場が拡大している。飲食料品向けだけでなく、高温多湿な気候という地域特性が洗剤などの日用品や香水向けに香料のニーズを押し上げる。世界シェア上位の欧米勢と日本の大手は東南アジアに成長の匂いを嗅ぎ取り、相次ぎ生産拠点を拡充している。
 
 「もうちょっと強い香りの洗剤がほしいねえ」。3月下旬、フィリピンの首都マニラ東部に息子と2人で住むソニア・ラギタオさん(57)が服を手洗いしながら話した。ラギタオさんは月収1万~3万ペソ(約2万4千~7万1千円)と、同国の約55%を占める最も人口が多い層の消費者だ。
 
 耳を傾けていたのは香料世界5位で日本の最大手、高砂香料工業のマーケティング担当者ら4人だ。消費者が望む香料を調べようと、この日は2軒の家庭を回った。

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 生の声を聞くと思いもよらぬ用途に気が付く。「服用の粉洗剤は掃除用に床にもまいて使うんだ」「薄めた柔軟剤をスプレー容器に入れて室内で吹き付けると、いい匂いだし蚊もいなくなる」。集めた情報は新たな香料の開発に生かし、直接の顧客である消費財メーカーへの提案にも活用する。
 
 米調査会社レフィングウェル・アンド・アソシエイツによると、2015年の世界の香料市場は241億ドル(約2兆6千億円)。東南アジアが占めるのは推定で1割だが、成長率は年7~8%と世界をしのぐ。「立ち上がり期と拡大期の中間くらい」(業界関係者)という伸び盛りの市場だ。
 
 所得水準の上昇とともに生活スタイルの先進国化が進み、外食や加工食品が伸びて香料の需要を押し上げる。暑く汗をかきやすい気候のため、非食品向けでは香水や洗剤、せっけん用の拡大が期待され、世界の香料メーカーを引き付ける。
 
 高砂香料は2014年に6千万シンガポールドル(約50億円)を投じてシンガポール拠点を刷新し、食品向けと非食品向け香料の生産能力を年3万トンと従来比3倍に引き上げた。インドネシアのジャカルタ近郊にも同国初となる工場の用地を購入した。
 
 シンガポール拠点の代表、アルフレッド・アスンシオン氏は「世界上位5社の中で唯一のアジア企業として市場を把握する点が強みだ」と話す。
 
 欧米勢も動いている。世界首位のジボダン(スイス)は2015年、シンガポールに2カ所目の非食品系の工場と欧州外では初の調香師養成所を置いた。この事業部門としては過去最大級の7千万スイスフラン(約80億円)を投じた。
 
 同社は2020年までの戦略で東南アジアを高成長市場の一つに位置付ける。インドネシア、ミャンマーなど人口が伸びる国に張り巡らした拠点を活用して拡販を狙う。
 
 3位の米IFFは2014年にジャカルタの食品向け香料の拠点を約2倍の1,500平方メートルに拡張した。
 
 日米欧では消費財メーカーと香料メーカーの取引関係がすでに強固だが、成長期の東南アジアではまだ消費財メーカーが香料の発注先を固めきっていない。市場が膨らむ中で下位の香料メーカーも戦略次第で勝機がある。
 
 世界11位の長谷川香料はムスリム向け需要に着目する。2014年に買収したマレーシアの香料メーカー、ペレスコルはイスラム教の戒律「ハラル」に対応した食品用香料を手掛ける。ムスリムの多いマレーシアやインドネシアで販路を広げ、アジア地域での営業利益を2020年までに現在の8割増の33億円に高めたい考えだ。(日経新聞等より)





 東南アジアを高成長市場の一つと捉え、日欧米の香料メーカーが相次ぎ生産拠点を拡充して進出を進めている。

 汗臭い臭いは御免だが、香水のにおいが充満してプンプンにおうのも考えさせられる。香料メーカーも適度な使い方を説明して貰えると、良い香りとして残り良いのだが・・・。












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