フィリピン最大の格安航空会社(LCC)セブ・パシフィック航空(CEB)が、2016年3月8日に創業20周年を迎える。
CEBは1996年3月8日にセブ~ダバオ毎日便を就航し、航空市場に参入した。その後、積極的な路線拡大、新鋭機導入、斬新なアイデア(飛行前の客室乗務員のダンスによる安全講習など)といったことにより急成長を続け、現在乗客数ではフィリピン航空(PAL)を抜き、フィリピン最大規模の航空会社(単独ベース)となっている。2010年10月26日にはフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
CEBはさらなる成長を図るべく、積極的に新規路線就航や新鋭機導入を進めている。昨年12月17日には、マニラ~福岡線、セブ~台北線、ダバオ~シンガポール線という3路線において新規就航した。これら3路線新規就航により、国内外98路線64都市へと運航路線を拡大した。
セブパシフ航空は、2015年の乗客数が9%増の1,840万人に増加したことを明らかにした。フィリピンと中東やオーストラリアなどを結ぶ長距離路線の乗客数が146%増加して好調だった。また、中国の北京や上海に加え、香港や東京、名古屋と結ぶ国際線でも客数が伸びた。
中東には200万人以上のフィリピン人出稼ぎ労働者が住んでおり、その多くはクリスマス休暇で帰省する。同社はドバイ、クウェート、リヤドへの便に加えて昨年6月にドーハ便を就航させている。
世帯収入の増加も娯楽で海外を旅行するフィリピン人の増加につながった。特に、2015年に日本便の乗客数は、フィリピンの中央に位置するセブ島と日本を結ぶ路線が寄与し、39%増の28万人以上となっている。
2016年3月16日には、マニラ~グアム線が新就航する。これはフィリピンとグアムを結ぶ唯一の格安航空会社であり、観光客の増加やフィリピン人の母国への帰国需要も見込んでいるようだ。
昨年暮れに、新たなマニラ発着のUAEへの就航、フィリピン各地から台北と高雄、マニラ発着のロシア主要都市(モスクワ、ウラジオストク)へ就航する権益も獲得した。
特に、台湾の台北線は、カティクラン、クラーク、ダバオ、プエルトプリンセサ、タグビラランからの直行便、高雄線は、カティクラン、セブの直行便となるようだ。
この他にも、マニラ空港のアセアンオープンスカイが締結した。20周年以降のセブパシ航空は、増々就航路線が伸びるようでアセアン域内も便利になりそうだ。