健康保険証の番号などを含む約10万3千人分の個人情報のリストが流出した問題で、厚生労働省が被保険者からの申し出があれば番号の変更を認める方針を固めたことが、同省への取材で分かった。対象は数万人規模に上る可能性があり、異例の対応となる。
これまで番号の変更は保険証の不正利用が確認される場合などに限られていたが、今回は流出情報が成り済ましや詐欺に悪用される恐れがあるため認めるという。
流出したリストには、被保険者の氏名や住所、電話番号とともに、自治体や健康保険組合など加入先が分かる「保険者番号」が含まれる。厚労省によると、少なくとも800から900の加入先を確認した。
厚労省は加入先に対し、流出した番号の保険証が現在も使用されているか確認するよう求める文書を送付。使用が確認できた場合、被保険者に直接伝えてもらう。割り振られている「被保険者番号」の変更を求める申し出があれば、別の番号の交付が可能だと通知する。
厚労省は流出元などの調査も進めている。加入先には情報リストに記載されたデータと保管しているレセプト(診療報酬明細書)を突き合わせ、複数の被保険者が同じ医療機関を受診していないかなど、データ同士の共通点の確認を求めている。受診者が多い医療機関は流出源となった可能性があるためだ。
この頃は個人が気を付けていても、情報流失が頻繁に増えてきている。情報社会の悪弊であるが、いたちごっこのようだ。せめて自分からだけは、情報が流失しないように気をつけたいものだ。