昨年は、ドイツの格安航空(LCC)の墜落に続き、カナダでもエアバス機の着陸失敗、アジアではエアアジア、フィリピンではジンエアーがあり、利用者に不安が広がる“空の旅”。LCCが増えますます選択肢が広がる中、どの航空会社を選べばよいのか。オーストラリアの格付けウェブサイトの評価を参考に、信頼できる航空会社、安全面で要注意の航空会社を考えてみた。
格付けサイト「エアライン評価」(AirlineRatings.com)は世界449の航空会社の安全性を1~7つ星で評価しており、「安全な航空会社トップ10」、「安全な格安航空会社トップ10」を発表している。
449社中、最高の7つ星となった会社は、日本の日本航空、全日空を含む149社に上ったが、一方で「7つ星中3つ星以下となった“要注意”航空会社」は40社近くになった。
安全な航空会社から見ていこう。449社中トップに立ったのはオーストラリアのカンタス航空だった。
『間違いだらけのLCC選び』(草思社)の著者で航空アナリストの杉浦一機氏は「納得のラインアップ。1位のカンタス航空は安全対策に定評がある上、経営の立て直しに成功し、2015年度からは日本路線を2つ増やすなど積極的な拡大が目立っている」と話す。トップ10の残りの9社の中には、エミレーツ航空とエティハド航空というオイルマネーを背景に急成長する「中東勢」が選ばれたほか、子会社のLCCの墜落で揺れるルフトハンザ航空も。
「ルフトハンザ航空は整備の設備投資に力を入れているが、今回の墜落で、副操縦士の過去の精神疾患を会社側が把握していたことが分かった。ルフトハンザ航空自体の信頼性にも疑問が出てくる」(杉浦氏)。2015年には上位から姿を消す可能性もありそうだ。
格安航空の上位10社に目を向けると、米国からジェットブルーなど3社が選ばれた。「アラスカ航空はLCCではないが、寒冷地に路線が多い。厳しい気象条件でも高い安全性を保ち、非常に評価できる」とのこと。
日本にも乗り入れるLCCとしてはジェットスターが有名だが、カンタス航空の子会社で、こちらも高い安全性が評価されている。
残念ながら日本の航空会社はそれぞれの上位10社に選ばれなかったが…。飛行機事故の7割が離着陸で発生している現状で、飛行時間が長いことは事故率の評価では有利になる。日本の航空会社は飛行時間が短く、LCCの分野では歴史が浅いことも影響しているのようだ。
一方、3つ星以下の評価が低い「要注意」の中で知っておきたいのは、日本人居住者や旅行客が多いインドネシア、ベトナム、フィリピン、ネパールの航空会社だ。
中でもインドネシアは最低の1つ星に2社も入ったほか、日本にも乗り入れするガルーダ・インドネシア航空も3つ星の評価に。
「国の安全基準が低いとして2007年からEU域内への乗り入れが禁止になった。2009年に解除された後も事故が多い。島国のため航空が国内の重要な輸送手段となっており、仕事や休暇で利用する日本人も少なくない」と警戒する。
1つ星のライオン・エアは100機以上を運航する格安航空大手だが、2004年に乗員乗客20人以上が死亡する事故を起こし、2013年にも事故やトラブルが相次いだ。
ネパールも2社が1つ星になった。霧や雨などで天候が悪化した場合は危険度が増すため、操縦士をバックアップする航行支援システムが重要になる。だが、ネパールは空港施設が貧弱で、航行支援システムが十分ではないようだ。ネパールの国内便は、登山のため利用する日本人も少なくない。
航空事故の場合、多額の補償金を受け取るのは当然と思いがちだが、国によって事情が異なる。例えば、ミャンマーは航空事業者が事故責任を免責されており、補償金が出ない。自分でしっかり保険をかけるなど備えを講じたほうがいい場合もある。
僻地(へきち)への旅行がブームになっているが、飛行機選びは慎重にしたい。(ZAKZAK等より)
アジアの航空会社で7つ星中3つ星以下の要注意航空会社としては、3つ星評価で、ミャンマーのバガン航空、フィリピンのエアアジア・ゼスト、カンボジアのカンボジア・アンコール航空、ブータンのロイヤルブータン航空、インドネシアのガルーダ・インドネシア航空、ウィングス・エア、エクスプレスエア、ベトナムのジェットスター・パシフィック航空、ベトジェットエア、ラオスのラオス国営航空等。
アジアでの2つ星評価は、インドネシアのスリウィジャヤ航空、ネパールのイエティ航空。
アジアでの1つ星評価は、ネパールのネパール航空、タラ航空、インドネシアのシティリンク、ライオンエア。
何処の航空会社でも運航している限り、安全を言いきれることは出来ないし、評価が低いと言って必ず事故を起こすとは無いだろうが、安全対策に定評があるところの方が良いでしょう。